トップページ | 2005年7月 »

2005年6月

ケイタイメール

 このところ、電車に乗って出かけることが多いのですが、みなさんは目的地につくまで何をしていますか?一昔前は文庫本など読んでいる人がけっこういたのですが、今はケイタイをいじっている人がとてもたくさんいます。私も、そうですねぇ。(もちろん読書や、音楽を聴いたりもしますけどね)

 ケイタイのメールは難しいです。フォントがかわいいから、ちょっとタメ口で書いたりすると、相手におかまいなしにズカズカ踏み込んでいくような気もして…。特に年上の相手にメールを打つときは、気を付けるようにしていますが、「送信」を押した後、”しまった~”なんてこともけっこう…。

 「言霊」(ことだま)…その言葉に宿ると信じられた不思議な働き。

 たった一言で、相手を癒したりも、勇気づけたりもできるし、おとしめることも、傷つけることもできる。言葉の力って計り知れない。美しい言葉を書き留めて、自分の語彙の貯金を増やしたいです。大切な言葉は、簡単に使わない。使うとならば覚悟(?)を決めて…それくらい考えれば、「言葉の神様」も”よしよし”ってうなづいてくれるかな。

 

 

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

辞書

 出版社によって「言葉」の説明の仕方が違うってこと、ご存じでしたか?

 私の使っている国語辞典は、三省堂の「新明解・国語辞典」。親しみを込めてうちでは”メイカイさん”と呼んでいます。特に用例がおもしろく、編者の頭の中ってどうなってんだろう…?!と思ったりします。

 語釈のすごさナンバーワンは、「動物園」ではないかしら。                          

 <動物園>生態を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえてきた多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀なくし、飼い殺しにする、人間中心の施設。(「新明解国語辞典」) 

今、注目の旭山動物園や上野動物園の方々が聞いたら、ひっくり返りそうな解釈ですよね。あなたのお手元の辞書には、何て書いてあります?

 この何年かで、電子辞書の売り上げが「紙の辞書」を抜いたそうです。一発で答えが導き出せる手軽さは実用的ですが、知りたい言葉の前後を見たりと、多角的な見方ができるのはやはり「紙の辞書」。電子辞書に押されて、将来店頭から消えてしまったら…言葉のおもしろさを発見する機会を取り上げてしまうことですよ。それは、いかん。がんばれ出版社!電子機器メーカーに負けるな。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

遠い記憶の向こうから

 題名も内容も忘れてしまったけれど、お話の一場面だけ覚えている…ということありませんか?例えば、「ちびくろさんぼ」のトラがバターになる場面。「ぐりとぐら」のみんなでホットケーキを食べる場面。(私の場合、どうも食べ物が出てくるところばかり覚えてるみたいです)

 お話を聞いて、全体を理解できるのはかなり大きくなってからではないでしょうか。ストーリーを順序立てて頭の中で整理できてこそです。小さいお子さんは、全体よりもむしろ場面を切り取った見方をすると思います。絵本を読んだ後、同じ場面を何回もながめたり、「もう一回、ここのところを読んで」なんて言ってきませんか?

 大人になって、例えば本屋さんなんかで「その場面」に偶然出会ってしまった時、「うわ~、これ、これ、これ!」と小躍りしてしまわんばかりに嬉しくなってしまった経験ありませんか?一瞬まわりがすべて消えて無くなってしまって、小さな子どもに戻ってしまったなんて…ね?!

 たった一つの場面が引き起こす、遠い記憶の向こうから訪れた子どもの頃のあたたかな思い出。それは、生きていく力につながるかもしれません。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

そろばんブームがやってくる?!

 「算盤王」 最近、我が家で人気の本です。「マンガ→アニメ→ブーム」この公式をたどってヒットしたものとして、「ヒカルの碁」(囲碁ブーム)「焼きたて!!ジャぱん」(パン屋さんになりたい)がありますが、次にくるのはもしかして…そろばんかも。

 作者の長谷川光太氏は、中央大学法学部を卒業後、会社勤務を経て、日本を放浪。この作品が児童文学作家としてのデビュー作だそうです。どんな人なんでしょうね。

 絵を担当しているのは、佐竹美保さん。かわいいクロネコがでてくる「ブンダバー」、ハリーポッターにつづくファンタジーの「ローワン」シリーズ、そして「魔女の宅急便」など、とても人気のある方ですね。目の表情が独特ですね。今回紹介する「算盤王」でも、ちょっととぼけたような雰囲気を保っていますが、表紙にちょっとビックリ!主人公マサヒロがかなりカッコイイ姿で書かれています。(右手にそろばんを持って、キッとこっちを見つめています)

 マサヒロがひっこしてきた町には、「流派」のちがう算盤塾が18も。「算盤王」をめざして日夜厳しい練習に励むちょっとかわった人たちとマサヒロの物語…。なんせ、それぞれの算盤塾があまりにも個性的で、とても楽しいです。和服・侍ことばが必須の「八雲流」。指使いを科学的に分析するアカデミックな「今宮流」。マサヒロの入ったのは、読み上げ算のスピードが超人的な「亀の尾流」。伝説の算盤をひょんなことから譲り受けたために、マサヒロは大会に出場する羽目に。そしてマサヒロは数々の試練に打ち勝ち、算盤王への道をのぼっていくのであ~る。 

 なんせ、うちの子どもたちが読みふけっているので、なかなか私にまわってきません。学校へ行っている間に読んでやろうと思っていたのに、朝読書用に持っていってしまいました。早く続きを読ませてください~。

 この本がブレイクしてアニメになれば、きっとそろばんブームがやってくる。そうすれば、基礎学力がアップして、再来年あたりのOECDの学習到達度調査では、日本の順位が盛り返すのでは…?!文科省のみなさん、「算盤王」をどうぞよろしく!

| | コメント (4) | トラックバック (1)

選書 「プレゼントを選ぶ」という発想

 学校など、集団に向けて読みきかせを行う中で、一番の悩みが「選書」だと思います。自分の子どもなら、好みも性格もわかっているので、だいたい的を得た本選びができますね。でも、学校はそうはいかない。男子も女子もいる、興味もバラバラ。う~ん、何を読めばいいかなぁ…。

 読みきかせの講習会などでは、「季節・行事もの」「年齢にあったもの」「絵と文のバランスがいいもの」「子どもの興味にあったもの」・・・いろいろ参考になることを教わると思います。

 私としては、「子どもたちは、喜んでくれるかな」 これを選書の基本理念においています。本を聞くのは子どもたち。読み手は主役ではありませんから、「本を通して何かを教えよう」とか「感動させてやろう」などと、読み手主体で、かつ下心をもった選書をすると、子どもたちはそれをけっこう見抜くものです。私は以前、選書に失敗して、子どもたちの表情が一気に硬くなっていくさまを、目の当たりにした経験があります。

 「プレゼントを選ぶように」 人に贈り物をするときは、その人の事を考えながら選びますよね。相手のことを知り、相手の心を出来るだけ推しはかって、喜んでもらえるように、いろいろ考えると思います。誰だって、「うわ~、ありがとう」+「笑顔」が見たいですもの。選書も同じ、私はこのように考えます。

 子どもたちに本を選ぶときには、やはりできるだけ子どもたちのことをリサーチした方が選びやすいでしょう。今、何に興味があるのか。遊びでは何が好きか…。担任の先生にいろいろ相談してみるのもいいと思います。

 本を贈られたことのあるアナタ。贈り主はアナタのことを一生懸命考えて(例えば、最近忙しそうだから、心和むものがいいかなぁ…とかね。) ようやくその1冊を選んだと、思うよ。                                                          

| | コメント (0) | トラックバック (0)

よみきかせ

 月に2回(第二・四金曜日)、小学校で読みきかせをやっています。7月で5年目となりました。始めは3人だったメンバーも、今や22人。大所帯となりました。

 私が、読みきかせを始めたのは、ささいな勘違いからでした。もし、あのとき、学校からのプリントを提出していなければ、私の生活は今どうなっていたでしょう。ちょっと想像がつきません。何かの作用が働いたんでしょうね。「運命」というやつかもしれません。

 私は、自分の子どもに絵本を読んだことがほとんどありませんでした。幼稚園任せだったし、子どもと向き合って「お母さんらしくするスタイル」が、照れくさくもありました。幼稚園の時、またはもっと前に、「読みきかせ」についての講座を、強制的にでも受けていれば…と今になって思います。当時は、読みきかせの重要性を全くわかっていませんでした。

 色んな事を学びました。いろんな出会いがありました。私の財産です。ずっと関わっていられること(「ライフ・ワーク」なんてちょっとかっこいい言葉も世の中にありますが)を見つけられて、よかったと思っています。

 私の「教科書」としている本を紹介します。「グランマの本棚から」です。私が師匠と仰ぐ山崎慶子先生の本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オーサー・ビジット

「オーサー・ビジット」をご存じですか?<こんにちは!作者です><作者自身が案内人>をキャッチフレーズに、朝日新聞社が主催している読書推進のイベントです。人気のある本の作者を教室に呼んできて「出張授業」をしてもらうもの。今年で3年目になるこの取り組みは、年々評判を呼び、規模も拡大してきました。

 実は、第1回目の時、私の関わっている学校でも応募をしました。(絵本作家の「あべひろしさん」)応募にあたっては、「いかに来てもらいたいか」と熱意の伝わる色紙を提出します。5学年2クラスの担任の先生にご協力をいただき、色紙を完成させ送りましたが、残念ながら、選考にもれてしまいました。

 しかし…近所にある女子校も同じように応募していまして、なんと見事に当選。漫画家・小説家の「折原みとさん」の出張授業を受けることができました。その時は、とっても悔しかったです。同じ町に、2人の作家は来ない!

<オーサー・ビジット>について、朝日新聞からの説明を下に。

 「オーサー・ビジット」(Author Visit)。文字通り、作者が、教室を訪問し、その個性と得意分野の知識・技能を発揮して、語ったり、描いたり、写真を見せたり、得意ワザを披露する。 あらかじめ宿題を出す作者もいる。一緒に小説の筋立てを考えたり、詩を作ったり。生徒からもあれこれの質問が飛び出す。昨年度、一昨年度にはそれぞれ約2300件の応募があった。今年度は26人の作者で52回のビジットを行う予定だ。

 作者との出会いで、もっと本に親しんでほしい。が、ユニークな大人と出会うこと自体が、子どもの好奇心を大いに揺さぶるはずだ。作者の話を通じて、世界と向き合う形はいろいろあることに気づくことができるはずだ。読書推進を基本としつつ「生きる力」を育むことを、オーサー・ビジットは目指している。 (「朝日新聞」より)

26人の作者とは、どなたかというと…。

◇あさのあつこ(作家)
◇池田晶子(文筆家)
◇いとうひろし(絵本作家)
◇井上ひさし(作家・劇作家)
◇今泉吉晴(ナチュラリスト)
◇今森光彦(写真家)
◇上橋菜穂子(作家)
◇海野和男(写真家)
◇折原みと(漫画家・作家)
◇角田光代(作家)
◇桂文我(落語家)
◇金原瑞人(翻訳家)
◇きたやまようこ(絵本作家)
◇工藤直子(詩人・童話作家)
◇甲野善紀(古武術研究家)
◇後藤道夫(科学ジャーナリスト)
◇五味太郎(絵本作家)
◇佐渡裕(指揮者)
◇関野吉晴(旅人・写真家)
◇谷川俊太郎(詩人)
◇筑紫哲也(ジャーナリスト)
◇富安陽子(児童文学作家)
◇長谷川義史(絵本作家)
◇アーサー・ビナード(詩人)
◇平田オリザ(劇作家・演出家)
◇養老孟司(解剖学者)

どうです?そうそうたるメンバーでしょう。私個人としては、「あさのあつこさん」に会って「№6」がこれからどういう展開になるのか、詰め寄って聞き出してみたいですね。

みなさんなら、どの作者を子どもたちの前に呼んでみたいですか?

興味のある方は こちらへ!

http://www.asahi.com/information/release/authorvisit/

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ブックウォーク

「ブックウォーク」 初めて聞いた言葉でした。 「Book Walk」と書きます。

図書館の新刊コーナーで「ブックウォークで子どもが変わる」という本を見つけ、何のことだろうかと、借りてきました。

著者は、<文科省初・中教育局教育課教科調査官>(漢字ばっかりですね)の井上一郎氏。国語教育学の先生でもあります。「読書力をつける」「語彙力の発達とその育成」「総合的な読みの力を育成する国語科の授業」など、先生向けの本をたくさん書いておられます。

「ブックウォーク」とは…

井上氏の打ち立てた読書推進方法の一つで、
<本と一緒に生活し、生活と一緒に本を読んでいこう。あわてず、ゆっくり、だけど目標を決めて歩いていこう>をスローガンとしています。

読み聞かせ、アニマシオン、ブックトークなど、子どもたちと読書を結びつける活動は盛んに行われてはいますが、どれも他者からの一方的な働きかけです

それに対して、子どもたちが自主的に取り組むというところが「ブックウォーク」の特徴です。多分に授業的・学校的な感じを受けますが、読書推進の方法としては、読み聞かせなどから一歩踏み込んだ、とても直接的なものだと私は思いました。

 具体的に、どのようなものかというと、

     1)期間を決める(○日から○日まで取り組む) 
     2)読む内容を決める(題材、内容、分類、作者など) 
     3)読み方を決める (期間、読み方、分量など)

        ・

 3点を、取り組む子ども自身が決め、それを達成するよう、本を読んでいくのです。

       例えば、「私は、夏休みに太宰治の本を5冊読む

 このように、自分で目標を決め、それを達成できるようにする、というものなのです。

 指導者側(多くは学校の先生)は、取り組みの開始時に、それらを『ブックウォーク宣言書』に書かせ、意志を明確に、取り組みの終わりには、『ブックウォーク認定書』に結果を、という風に進めます。

 注目すべき点は、やりたい子どもだけに、「宣言書」を渡すというところです。「私はチャレンジするよ!」という子どもだけが対象で、全員必修としないのです。無理強いしないことはいいことですが、それに乗り遅れた子どもを救う方法もなくてはいけないような気がします。どんなに目標が低くても、自らが設定した目標を達成できたという喜びは大きいものだと思いますので、必修という方法を使ってもいいような気も、私はします。

 長くなりましたが、興味のある方は井上氏の本を読んでみてください。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

締め切り

日曜日の午後5時が締め切り。地方新聞の情報紙にブックレビューを書いているのですが、いまだ出来てない。書けるときは迷いなく一気にいけるんだけど…。今回は大苦戦中。テーマが「見えないたからもの」という抽象的なものなので、いろいろ考えちゃって。

あ~、たすけてくれ~。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

はじめまして

はじめまして。ハリーです。

子どもたちに「この本、おもしろいよ」と手渡してあげられるよう修行中の身。

おもしろかった本、心に引っかかった本など、書きためていきたいと思います。

小学校での集団読みきかせや、中学での朝読書で人気のある本をリサーチ中!

みんなの情報待ってます。(^o^)

| | コメント (4) | トラックバック (0)

トップページ | 2005年7月 »