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「西の魔女が死んだ」

「西の魔女が死んだ」 (梨木香歩・新潮文庫・400円) を読みました。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。(Amazon レビューより)

文庫で出ていたので、これが児童文学だとは気付きませんでした。(まるで素人ですね)。これは、ぜひ、中学生に読んでもらいたい。なんとなく「夏の庭」(湯本香樹実)と通じるところがあると思います。「読書家」というには、まだちょっと遠い子どもたちに本を勧めるとき、私は、その子と同じ性別の主人公が登場するものを探します。その方が、共感しやすいからです。しかし、「西の魔女が~」はその必要はないと思いました。

森の匂い、雨の匂い、空気の匂い…このお話しからはいろんな匂いが想像出来ました。それはとても心地よく、読みながらとてもやすらぎました。まるで自分も「まい」と共に「マイ・サンクチュアリー」にいるようでした。

「夏の庭」も「西の魔女~」も、年寄りと中学生との「こころの交流」、そして「」が話の核をなしていますが、大きく違うところは「死」のとらえ方。

人が死んだとき、それがとても近しい人の場合、失った悲しみに呆然となるでしょう。でも、「西の魔女~」ではそうではない。「おばあちゃんが、確かに死んだという事実」に対して「まい」は、「嬉しいのか悲しいのかわからなかった。」この場面、もし、私が「まい」なら、きっとスタンディング・オベーションのように、立ち上がって(きっと泣きながら)拍手をするでしょう。「おばあちゃん、さすが!」という具合に。私が読んだ本の中で、近親者の死に対して、こんな感想をもったのは初めてでした。

最後のページ。電車の中で読んでいた私は、奥歯をかみしめましたよ。涙をこぼさないように。窓ガラスに書かれていた伝言と、「I KNOW」という声が聞こえてくるところ、ここがやっぱり一番よかった。あたたかな気持ちで胸がいっぱいになりました。

ねばり強く毎日を確実に生きることが、魔女への近道なんだな。私も魔女になれるかもしれない。あした誕生日の私に、自分からのプレゼントをあげたような気分。

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コメント

お誕生日、おめでとうございます。フルーツがばっといただけましたでしょうか?お盆だと祝ってくれる家族がいつまでも多そうでうらやましーなー。

「トラベリング・パンツ」アン・ブラッシェアーズ/作
理論社 2002刊

プレゼントにブラッシュアーズはいかがでしょうか?もし、もうお読みだったらごめんなさい。
女の子のトモダチ関係って?、初めての離れ離れ夏休み、誰にでもぴったり決まる不思議なジーンズ・・・。

投稿: どんぶらっこっこ | 2005年8月17日 (水) 04:47

どんぶらさん、メッセージthank you!です。ケーキは均等に分けました。(子どもが「いいんだよ、ママ。好きなだけ取って。今日は王様なんだからね」と言いながらも、目が何だかもの欲しそうだったので。)

「トラベリング・パンツ」はまだ読んでないです。3巻シリーズですよね。「スターガール」に表紙が似ているから「理論社」かな、と思ったらやっぱりそうでした。
 講談社と同じくらいYAに力をいれてる「理論社」だから、きっと「トラベリング・パンツ」もおもしろいんだろうな。オススメありがとう。早速読んでみます。

上野公園で5月くらいにいつも「こどもの本フェスタ」をやりますよね。私も手伝いに行ったりするのですが、去年「理論社」さんのブースで売り子をしました。「バーディミアス」を売りまくったぞ。なんてったって、本の2割引は大きい。「1900円がなんと、1520円!」と、まるで八百屋さんの店頭みたいだった「理論社ブース」ですが、叫んでいたのは、…私です。

投稿: harry | 2005年8月17日 (水) 18:17

上野の森親子フェスタ。すごく楽しそうですね!大賑わいだったようで売り子さん、お疲れ様でした。講演には、あさのあつこさんや中川ひろたかさんも!おおお・・・。
 実はあさのあつこさんは、うちの図書館でも講演をお願いしようかと思ってたんですが・・・・「スケジュールは1年先までいっぱい。書く時間を確保したい」とのこと。残念でした。

理論社はいけてますよね。装丁も読者層を考えてる!最近出た理論社では「メディエータ」シリーズが同僚のTちゃんの一押しでした~。
講談社のYAおすすめってなにかありますか?よかったら教えてくださいね。

投稿: どんぶらこっこ | 2005年8月19日 (金) 03:40

講談社「YA!活字力フルパワー」シリーズ
私&上の息子が読んだものは…
「都会のトムソーヤ」「満月を忘れるな!」「妖怪アパートの幽雅な日常」「サイコバスターズ」「NO6」です。(息子は「ティーンパワーをよろしく」も読んでます)

この中で一押しは「NO6」文句なし第一位!
☆「満月~」は”恋系”。たぶん女子は好きだな。
☆「トムソーヤ」は、主役も良いけど、脇役のボディガード卓也さんがいい味だしてる~
☆「妖怪~」は下宿人のキャラが抜群
☆「サイコ~」は、”ありえねぇ~(^^;)でも、かなりドキドキ!”マンガが好きな子はきっとはまるよ。

「NO6」と「サイコ」は、1巻を読み終わった後続きが気になって、すぐに2巻を借りてきました。子どもには黙っていて先に読んでしまいました。

「チェーンメール」は挫折。

講談社YA!の方が、理論社より多少俗っぽいと思いますよ。今まで本をあまり読んできてない男子に勧めるにグー。

投稿: harry | 2005年8月19日 (金) 14:11

いろいろでてきましたねえ。やっぱり、あさのあつこが1番?私、「NO6]みたいなSFぽいのやFTは、中高時代にお熱をあげていたせいで、今ではほとんどだめなんです・・・。悲しいかな。恋愛小説も×。となると、「トム・ソーヤー」?ううううん。やっぱ、これかな?
「NO6」を読んで、あさのあつこの語りってなんか私には「作ってる」感があってなじめないのではと思い始めました。お話は文句なく面白いんですが,悩むところです。

投稿: どんぶらこっこ | 2005年8月20日 (土) 01:07

確かに、あさのさんの文章は、作ってる感じしますね。作家さんの筆先(今はキーボードかな)から、自然にあふれ出てくるような文ではなくて、「さぁ、こい!野郎ども。おもしろい話してやるよ」そんな気迫(?)が見えるような。子どもがハマるのは、ゲームのような派手な展開にまず惹かれ、しかしゲームでは触れ得なかった”心理描写”(子どもにわかりやすい…主人公が自分の胸のうちをゴチャゴチャつぶやきまくる)に出会い、「わぁ~、こんな世界があるなんて~」って気付かせた・・・。話の切り方が絶妙だから、「この後、どうなるの~」ってうまくのせられちゃいますよね。出版社の思うつぼです。


投稿: harry | 2005年8月20日 (土) 05:58

息子さんて何年生ですか?読書傾向からすると高学年~ですよね?(年齢にかかわらず読書傾向は個人によって幅があるからわかりませんが・・・。)そうそう、盆で帰郷のバスの待合で熟年男性が文庫を熱心に読んでるので、なにげなくみると「バッテリー2」だった。「バッテリー」もご予約の90%はマダムだ・・・。
「十二国記」も「表紙がイラストだと恥ずかしくて読めないっ!」という切なるおじさんの声に応えて、途中から講談社文庫とWH版と2種類出るようになったしねえ。

「バッテリー1・2・3」は私の母(60?歳)にあげてきました。中一の姪(ファンタジー大好きで今は「指輪」にはまってる)は、実験しようと思ってすすめたけど挫折したようでしたんで・・・。

あさのさんは、低学年向きから高学年向きまでさまざま書いてはるから、今度は低学年向きのものを読んでみようと思います。

投稿: どんぶらこっこ | 2005年8月20日 (土) 08:29

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 読みたい本は、基本的に図書館で借り、買うのは何度も読み返す本と決めている。なんせ、びんぼ〜なもので・・・そして、この『月さば』は、図書館で借りた上で、とても気に入ってしまって、買った本である。  また、本を買うときに一緒だった友人に「私はもう読んだから」と貸したら、「いい本だから、ほしい」と言われ、結果的にプレゼントする破目になった・・・。それで、もう1冊買った。びんぼ〜人やけど、新潮社から文庫本も出ていて、514円と安価だったことと、某川柳大... [続きを読む]

受信: 2005年9月20日 (火) 21:29

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