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2005年9月

朝顔

朝顔のおはなし。

       あさがおや つるべとられて もらひみず

おなじみ、加賀の千代女の詠んだ俳句ですね。この句以外に、千代女が詠んだものをご存じですか?

       稲妻の 裾をぬらすや 水の上     行春の 尾やそのままに かきつばた

江戸時代、今の石川県白山市に生まれた千代さん。生家は「表具屋」さんでした。家の中には、いつもきれいな絵や俳句がたくさんあったそうです。小さい頃から、文字を書くことが大好きだった千代さんの初めて詠んだ句は、「初雁や 並べて聞くは 惜しいこと」 友だちと遊んだ帰り、夕暮れの中を、列をなして飛んでいく雁を見て詠んだ句だそうです。この時、千代さん7歳

その後、俳句の勉強を続け、松尾芭蕉のお弟子さんである「各務支考(かがみしこう)」に見いだされ、有名になっていきます。

18歳で結婚するも、旦那さんが早死。家を切り盛りするのに大変だった千代さんでしたが、52歳で出家し、俳句に専念することとなります。出家の際に詠んだ句がイケてますよ。

       髪を結う 手の暇あけて こたつかな

そんな茶目っ気のある千代女のところへ、加賀藩の殿様より、朝鮮からの客人へおみやげ用に千代女の句集を作れとの仰せが。当時、存命中に句集をつくる、ということは極めてまれなことだったそうですね。すごい名誉です。このことで、千代女の名は全国区に。

       月も見て 我はこの世を かしく哉  千代女の最後の句です。

「朝顔」から、千代女のことを知ることが出来ました。きっかけをくれたMさんありがと。

   <その他の句>  蝶々や 何を夢見て 羽づかひ    ころぶ人を 笑ひてころぶ 雪見哉

 

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2学期始動

2学期が始まって1ヶ月を過ぎました。運動会も終わり、子どもたちも落ち着いてくるころですね。気候も過ごしやすいし、頭や体をつかうのにうってつけの季節です。

運動会の練習で時間を取られ、延期になっていた読みきかせも、また再開です。メンバーのみなさんは十分な準備をしてくれているかな。

2学期は、ちょっとしたプロジェクトを立ち上げようと思案中。まずは、自分の気持ちを盛り上げていくことがファーストステップ。動き出すよ、みてて。

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余韻

よいん 【余韻】  国語大辞典で意味を調べてみました。

 ①音のあとにかすかに残って続くひびき。また、音が消えたあと、耳に残っているかすかな音。余音。

   ※「そして後には、車輪の音よりも葉子の声の余韻が残っていそうだった」 (「雪国」川端康成)

  

 ②事が終わったあとになお残る風情や、詩文などの言外の趣にたとえていう。

   ※「やるせない魂の余韻を 時としてしんみりと 指の間からかよはす」 (「桐の花」北原白秋)    

胸の奥で、ゆるやかな風が吹く。あたたかく、またはせつなく。(自分が出会ったその出来事によって、その風合いは違います。)日常の音からすこし遠ざかるような、そんな気持ち。私自身の「余韻」の分析です。

本を読んだあと、映画を見たあと、楽しい時間を過ごしたあとなど、余韻を楽しむことは多いと思います。もしかして、人間しかできないことかもしれませんね。

読みおわって何日も心に響いていた本、ありますか? 日ごとに秋が深まっていくこの頃、こころ遊ばせる豊かな時間をすごしてみたいですね。

  

                                                     

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「四月の雪」

水曜日は映画が1000円、レディスデーってやつです。1000円ならいいか!ということで、おばさん達(自分のことはタナにあげて)の間で話題沸騰な「四月の雪」を友人と観てきました。(ちなみに、私はヨン様のファンでも、韓流ファンでもありません。「冬ソナ」も観たことない。)

感想:自分がこんな立場に置かれたらやだなぁ。

あまり多くは語りますまい。帰りながら友人と、「”いい場面だったところ探し”をしよう」という話になった…ということから、察してください。

                      ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

映画は「予告」を観るのが好きですね。なんかすごくワクワクします。「ハリーポッター」は11/26封切り。その前に「ナルニア」かな。先週「チャーリーとチョコレート工場」を観ましたが、エンタとしてとても楽しめました。

みなさんの好きな映画はなんですか?

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きりなしうた

言葉遊び 「きりなしうた」 (谷川俊太郎)

 しゅくだい はやく やりなさい      おなかが すいて できないよ

 ほっとけーきを やけば いい       こなが ないから やけません

 こなは こなやで うってます       こなやは ぐうぐう ひるねだよ

 みず ぶっかけて おこしたら       ばけつに あなが あいている

 ふうせんがむで ふさぐのよ       むしばが あるから かめません

 はやく はいしゃに いきなさい      はいしゃは はわいへ いってます

 でんぽう うって よびもどせ       おかねが ないから できないよ

 ぎんこうへ いって かりといで     はんこが ないから かりられぬ

 じぶんで ほって つくったら       まだ しゅくだいが すんでない

何年か前に、読み手と子どもたちとの掛け合いでやりました。野球の応援団みたいにバットメガホンを二本使って音を出し、リズムを取りながら。けっこうおもしろかったですよ。

本の読みきかせも楽しいですが、子どもたち参加型の「言葉遊び系」もいいですね。教室の中が一体となります。楽しい時間を共有する方法の一つですね。郡読について書かれているページを見つけました。

      こちら→ http://www.try-net.or.jp/~seico/gundokutop.htm

この試みをやった日の夕方、友人と話をしました。「うちの子、へんな歌うたってる。宿題やんなさい!って言ったら、なんか延々と始まったのよ。」 

       おもしろい言葉遊びありましたら、教えてください!

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ラストジョブ

小学校での読みきかせをお手伝いして5年。自分の子どもとともに私も成長してきたつもり。

学校での子どもたち、見回してみて…。彼らの心に”タネ”をまくことができた?文字の壁を飛び越えて、物語の世界へ飛び込んでいける想像力を培う手伝いができた?本を読むこと=学習、という誤解(呪縛?常識?)を先生方から解くことができた?

どうやら、どれもこれも、YESとはいえない感じがする。

なんのために読みきかせをするのか。取り組みに乗っかっている人たちの意識を統一しないと、保護者たちの演芸大会にすぎない。

下の子の卒業まで1年半。私のラストジョブは、学校の上にいるかた・先生方・メンバー・司書の先生の間にある、微妙な思惑の違いを埋めていくことにしたいです。4者、そしてそれに公立図書館が連携できると、さらにいい。(すでに、そのように連携体制ができている学校さんからみると、遅れてるなぁと思われるだろうけど。)

何から手をつければいいのでしょう。時間って、けっこう早く過ぎてしまうからね。

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色っぽいもの…?!

「目病み女と風邪引き男」 江戸時代の色っぽいものの代表らしい。

じゃ、今日の私は、色っぽいかも。さきほど、眼科より帰ってきました。「目を酷使してはいけません。目が悲鳴をあげてますよ。しばらく目を使わないように」 と医者様。(どんな悲鳴?)しばらく、パソコンはだめかな。読書もだめかな。先週の仕事がたたりました。

<読みかけ本> ①「ひねり屋」(ジェリー・スピネッリ/千葉茂樹・訳)←スピネッリを制覇する予定  ②「鬼の橋」(伊藤遊)←クリクターさんオススメ。少し読み始めたんだけど、はまりそうだぁ。

どうしよ、どうしよ。でも、あぁ、目が痛い。

来週までに治るかな。

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立ち止まってみて、この時間

朝焼け、夕焼け。これから空気が変わっていくよ…空がくれたブレイクタイム。

「すきまの時間」 (アンネ・エルボー・作/木本 栄・訳/ひくまの出版)

 たいようのじかんと やみのじかんのあいだの ほんのわずかな じかん…。そんな「すきまのじかん」の おはなしです。   (見返しの紹介文より)

オレンジ色のケープを着て、黄金の冠をかぶった”太陽の王様”。一方、闇をつかさどる”夜の女王”のいでたちは、黒いドレスに水玉模様のついたシフォンのようなマント、手には星のついたシャク。

二人はいつも, いがみあっているのです。互いを邪魔だと, 思っています。「早く、どこかへ消えてしまえ!」 そんなある日、二人の間に,「すきまのじかん」 が竹馬にのって静かに現れます。頭にはゆびぬきをかぶり、青いオーバーのえりもとのマフラーを、長いピンでとめています。そして、何も書いていない本を一冊。

”太陽”と、”闇”の間に、そっとしのびこむ「すきまのじかんの精」。

<それは、まるで あったのか、なかったのか さえ わからないような すきまのじかん。>

そんな「すきまの精」は、ある日、”よあけの王女”を一目見て、恋に落ちました。アオサギに姿を変えて、王女に逢いに行きました。でも、太陽の王様が目を覚ます前に、立ち去らなければ…。せつない,でも、逢えただけでうれしい。あなたを見るだけで心がほっとする。

なんとも、ふしぎな空気に包まれる1冊です。時は止まらないのだけど、ストップモーションのように周りの何もかもが静止し、その中を、ただ前を向き、ゆっくりと歩いていく「すきまの精」。確かにこんな時間は存在すると思います。

太陽がしずみ、星が瞬き始めるほんのわずかな時間、そして、東の空が白み始める前。足を止めて、心をすましてみて。「すきまの精」が、あなたの前を通り過ぎていくよ。

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教えて!「待つ」絵本

「待つ」ことが、キーワードになっている絵本を探しています。頭にうかんでくるのが、E・カールの「ことりをすきになったやま」1冊だけなもので。

絵本だけでなく、和歌もよろしく。

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でました!「No.6 ♯4」

待ちこがれていた本がやっと出ました。あさのあつこ著 『No.6 』の4巻目

会議の時間までまだ間があったので、ふらりと入った本屋さん。書店員さんの手書きPOPを読み、絵本のコーナーをのぞき、ぶらぶらしていると…、「あれっ?!こ、これは…!!!」 息子共々はまっている『No.6 』の新刊じゃないですか。一大事じゃ~♪♪ うちの子に渡したら叫ぶだろうなと、想像しながらレジへ持っていきました。

その他買った本。梨木香歩 「エンジェル エンジェル エンジェル」(新潮文庫) 宮部みゆき「人質カノン」(文春文庫)

手渡したときの息子の反応。私「ほれ」(と、手渡す) 息子「あっ、出たんだ!うわぁ…(しばらく無言で、表紙と帯を眺めて)……俺が先に読むから。」 もっと大騒ぎするかと思ったけど、けっこう静かでした。そして最後にひとこと。「もったいないな、読むの」

息子よ、読み終わったらまた語り合いましょう。

今、ふと 気付いたんだけど、「ハリーズ・ブックストア」(右の方→)で紹介している本が、ブルー系の表紙ばっかりだなぁ…。偶然ですねぇ。…いや、もしかして、ブルーが好きなので、ふと手にとってしまうのだろうか!? 「装丁」について、後日、話題にしてみますか!

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星の王子さま (Le Petit Prince) 

 サン・テグジュペリの名作「星の王子さま」

 今年の7月に、倉橋由美子訳(宝島社)。8月には、池澤夏樹訳集英社)。二人の作家による新訳版が出ました。

 私が「星の王子さま」を読んだのは、確か小学生の高学年だったと思います。何のことやらさっぱりわからず、おもしろくなかった記憶があります。「たいせつなものは目に見えない」という言葉と、バラにガラスのドームをかぶせるところ、うわばみにのまれたゾウ…とぎれとぎれしか思い出せませんでした。「すごい。深い。名作。人生に大切な何かをおしえてくれる。」などなどの書評に、そうなのかなぁ~?と首をかしげていました。(もう一度、読み返した今、思うことは、6年生くらいではこの内容を理解するのは難しい。けっこう大人になってからじゃないと、言葉の奥にあるものをつかむのは無理なような。)

 一週間ほど前、何かの雑誌に、倉橋訳と池澤訳の対比についての記事が出ていました。なるほど、おもしろいなと興味を持ちました。書店に立ち寄ったとき、まよわず手に取り、立ち読みを始めて…。

 なんて読みやすいのだろう。私が手に取ったのは、表紙の色がまるで宇宙空間のような深い藍色の方、池澤夏樹訳でした。

 そうか、横書きだから、見やすいんだ。そして、一行に22文字。(私が昔読んだ、みなさんおなじみの岩波書店/内藤濯訳のものは、縦書きで一行に47文字。)

 文体は、言い切り型。なのでとてもシャープ。「きみ」「ぼく」なのでなおさら。ベタベタした感触はせず、水のように流れる感じです。とにかく、読みやすい。頭に入りやすい。

 電車の中で一気読みでした。いつもは、腰が痛くなるから電車に長く乗っているのは好きではないのだけど、この時ばかりは、「もう、着いてしまった。あと2駅くらい乗っていたかったな」なんて思いました。なぜなら、王子さまが砂の上に静かに倒れるまで(読み終わるまで)あと何ページか残っていたからです。

 家に着いてからも、残りを読むのが惜しかった。最後の文字まで読んでしまったら、その世界から出て行かなくてはならないような気がしてね。

 内容について話すには、私ごときにはおこがましくて。なので今回はパス。でも一言だけ。 こんなお話しだったなんて。まるで詩。まるで音楽。言葉がこれほど美しいとは。

 倉橋訳の方が、淡々としていると聞きました。よし。読み比べてみることにしましょう。

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秋来ぬと 目には さやかに 見えねども…

9月に入りました。小学校は運動会の練習で大変かな。昼間はまだまだ暑いけど、朝晩はかなり過ごしやすくなりましたね。なんだか、ほっとしてしまいます。秋はなにかコツコツ作り上げたくなるような気分なるなぁ。

昨日、電車の中で読んだ本…「ハッカー」(マロリー・ブラックマン・偕成社)

コンピューター用語に詳しくない私は、”え~っと、これって何だっけ?”とページを行きつ戻りつしてしまいましたが、内容的には☆3つくらい。主人公の女の子が「養子」であることが、作品に厚みをあたえています。うん、おもしろかったです。

本日も所用で電車に長く乗らねばなりません。さて、何を読むかな。

                                   ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 え~、今日はアクシデントが起きて、すっかりめげたharryです。隣県のM駅からバスに乗ったのですが、M市役所前のロータリーでバスが動けなくなりました。黒のベンツが違法駐車していたためです。クラクションを鳴らして待つこと5分。ベンツの主は出てきません。市役所の人が放送をかけ、さらに5分。バスの乗客でちょっとやくざっぽいおっさんがキレ始めました。バスの運転手に向かって、ごちゃごちゃつっかかっていました。バスの運転手も、おっさんの言葉にキレて、ものすごい口論に。「あんたらアホちゃうか?」って、ノドのところまで出かかっていた私ですが、(口げんかなら負けない)なにせ、11時に人と会う約束をしていたので、”すいません、降ろしてください”とカワイク言ってバスを降りました。タクシーに飛び乗って、やっと間に合った次第です。くそ~、タクシー代っ!!

 タクシーの運転手さんに、さっきの出来事をぶちまけて、しばし車内でおしゃべり。例のバスが止まる停留所(3つくらい先の)には、バスを待つお客さんがずらり。タクシーの運転手は、「待ってたって、来やしねぇよぉ~」って、なんか嬉しそうに言ってました。(^_^;)

 ベンツの持ち主は、いつ現れたんだろう。気になる。(午後9:30)

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