« 教えて!「待つ」絵本 | トップページ | 色っぽいもの…?! »

立ち止まってみて、この時間

朝焼け、夕焼け。これから空気が変わっていくよ…空がくれたブレイクタイム。

「すきまの時間」 (アンネ・エルボー・作/木本 栄・訳/ひくまの出版)

 たいようのじかんと やみのじかんのあいだの ほんのわずかな じかん…。そんな「すきまのじかん」の おはなしです。   (見返しの紹介文より)

オレンジ色のケープを着て、黄金の冠をかぶった”太陽の王様”。一方、闇をつかさどる”夜の女王”のいでたちは、黒いドレスに水玉模様のついたシフォンのようなマント、手には星のついたシャク。

二人はいつも, いがみあっているのです。互いを邪魔だと, 思っています。「早く、どこかへ消えてしまえ!」 そんなある日、二人の間に,「すきまのじかん」 が竹馬にのって静かに現れます。頭にはゆびぬきをかぶり、青いオーバーのえりもとのマフラーを、長いピンでとめています。そして、何も書いていない本を一冊。

”太陽”と、”闇”の間に、そっとしのびこむ「すきまのじかんの精」。

<それは、まるで あったのか、なかったのか さえ わからないような すきまのじかん。>

そんな「すきまの精」は、ある日、”よあけの王女”を一目見て、恋に落ちました。アオサギに姿を変えて、王女に逢いに行きました。でも、太陽の王様が目を覚ます前に、立ち去らなければ…。せつない,でも、逢えただけでうれしい。あなたを見るだけで心がほっとする。

なんとも、ふしぎな空気に包まれる1冊です。時は止まらないのだけど、ストップモーションのように周りの何もかもが静止し、その中を、ただ前を向き、ゆっくりと歩いていく「すきまの精」。確かにこんな時間は存在すると思います。

太陽がしずみ、星が瞬き始めるほんのわずかな時間、そして、東の空が白み始める前。足を止めて、心をすましてみて。「すきまの精」が、あなたの前を通り過ぎていくよ。

|

« 教えて!「待つ」絵本 | トップページ | 色っぽいもの…?! »

本紹介」カテゴリの記事

コメント

おお〜たいそう良さそうな本ですね。さすが! アマゾンで見たけど、イラストレーションも素敵そうです。買ってみます。またきます。

投稿: アキンガー | 2005年9月15日 (木) 14:52

アキンガーさん、いらっしゃいませ。
この本、最初に、文字だけのページがあります。
これは「詩」ですね。暗記して、つぶやくように言えたら
相当かっこいいと思います。
ところで、花火。いいなぁ。写真とかないんですか?

投稿: harry | 2005年9月15日 (木) 17:37

写真、あります。でも、アホな私は花火の時間は花火に夢中になってしまったので花火の写真は撮らなかったんですよ…あるのは70万人の10分の1位?が映っている群衆の写真と、イヤになっているカミサンの写真です。だははは

投稿: アキンガー | 2005年9月15日 (木) 19:12

雨でも中止にしないっていうのがスゴイですね。
「雨の花火」ってみたことないや~、というか、たいてい中止ですもん。アキンガーさん、見たことある?どんなんだろう、雨の花火。「冬の花火」っていうのが、太宰治にあったっけ。「雨のプラネタリウム」っていうのが、原田知世の歌にあったっけ。よし、来年、行ってみようかな、大曲。

投稿: harry | 2005年9月15日 (木) 21:41

おおお、読みました。最初の詩がかっちょええですねえ。音読するとさらにかっちょええ。大人のメルヘン・・。
「すきまの時間」は絵では口が描かれてないねえ。だから告白できないの?

TVで阪神を応援している彼に音読してやろうとしたら、「マジック8や!」だと・・・。ぶつぶつ。詩心のない奴じゃ。

投稿: どんぶらこっこ | 2005年9月20日 (火) 21:22

本にはさんだバラをみるだけで、カレはその日いちにちハッピーなんだよ、きっと。好きな人からきたメールを(それがどんなに短いものだって)なんども見直してしまうのと同じ心境とちゃうやろか。

朝、日の出前に窓を開けると、その季節時々の「空気のにおい」がします。私はこれがとてもすき。季節の変わり目が特に。「あ、秋だ」とか「冬のにおいだ」とかね。

夕、まだ光りかたの薄い(弱い)星が一つ、二つ出ると、天文にうとい私は、あれはなんていう星なんだろ?って毎回思う。

ちょっと、心が異空間におちるこのひととき、私の前を「すきまの時間」が通ってるんだな。このときの私の顔はきっと、とてつもなくボーッとしてるに違いないデス。

投稿: harry | 2005年9月21日 (水) 05:38

最初に輝き、最後に消えていく星

それは宵の明星であり明けの明星でもある金星ではないでしょうか?

投稿: どんぶらこっこ | 2005年9月22日 (木) 21:08

中学の校歌の始めんとこが「明けの明星、光さえ~♪」だったのを思い出した!!

私の知り合いに天文を趣味とされている人がいますが、今度きいてみよう。あんまり初心者すぎる質問だから、ちょっと気恥ずかしいな。

「同じ月を見ている」というフレーズがありますが、遠く離れた人どおし(夫婦でも、恋人どうしでも、親子でも)月を見上げて、相手のことを想う…なんか胸の底が静かになる気分です。

投稿: harry | 2005年9月23日 (金) 07:35

天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも(安倍仲麻呂)

古今東西、月を見て思う人の気持ちにはかわりがないですよね。ことに遠い異国の地において眺める月には、ことさら故郷を思い出され・・・・。

「絵のない絵本」(アンデルセン)も月がひとりぼっちの詩人に自分のみたことを語って聞かせる幻想的なお話でした。月がそっと垣間見た世界中の夜のひとこまは、あるときはコミカルにあるときは夢のようにあるときは歴史をきりとって尽きることはありません。

そして、白々と夜が明けてくると、月は薄らいで太陽がのぼり新しい一日が始まるのです。

「よあけ」シュバルツ(作・画)は、そんな夜明けの様子と朝のぴんとはった空気を描いた作品。文章は短いながらも詩。漢詩「魚翁」をもとにしたとか。とても好きな作品です。

追記:「月はどっちにでている」(映画)は、方向音痴のタクシードライバーが登場するコミカルで風刺のパンチの効いた作品です。原作は「タクシードライバー日記」(ヤン・ソギル)

投稿: どんぶらこっこ | 2005年9月23日 (金) 22:02

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/116530/5935280

この記事へのトラックバック一覧です: 立ち止まってみて、この時間:

« 教えて!「待つ」絵本 | トップページ | 色っぽいもの…?! »