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2005年11月

お手紙

いつも読みきかせに行っている小学校の子どもたちから、私の入っている読みきかせグループあてにお手紙をもらいました。3年生と5年生。

集団読みきかせは、選書が難しいのですが、その分、心を通わせる糸の本数がたくさん!

お手紙、いくつか紹介させてください。

<3年生・男子> みなさん、本を読んでくれてありがとう。みなさんがいつも本を読んでいてきづくんだ。たとえば、「ねぎぼうずのあさたろう」なんかは、ほんとにむかしのさむらいみたいに読んでいる。そのふんいきをだしているんでしょ。あと、みなさんが本を読んでて、むちゅうになって、ぱっとまわりをみたら、みんながむちゅうに見てるんだ。びっくりしました。

<5年生・女子> いつも楽しい本を読んで聞かせてくれてありがとうございます。私はいつも読みきかせの時間になるとうれしくなります。本を読んでくれる人は、とっても楽しそうにしていて、こっちまで楽しい気持ちになります。いつも、どこで本を借りているんですか?楽しい本ばかりなので知りたくなりました。

<5年生・女子> 私は、本を読むのは好きだけど、声に出して、聞かすのはとても苦手です。ですから、声に出して読んでくれるみなさんのことを、とてもそんけいしています。いつも思うことですが、みなさんは、私たちが、楽しめるように、いっしょうけんめい本を選んできてくださるんですよね。選ぶのはとても大変ですよね。これからも、”よみきかせ隊”をやめないで、本を読みにきてください。

・・・160枚の手紙。ありがたいです。原動力、この一言。

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やさいのせなか

「やさいのせなか」 きうちかつ・作/福音館書店)

読みきかせでおなじみ「やさいのおなか」の続編がついに登場です!!今度は「せなか」だよ。

魚に墨を塗って形をとる「魚拓」というものがありますが、その野菜版がこれ。野菜の上に紙をのせ、クレヨンでこすります。すると、野菜の表面が紙にうつります。なんの野菜かわかるかな?!

「やさいのおなか」では、『これ、なーんだ?』と問いかけて、野菜の断面図を見せる方法でした。今回の本は、擬音の表記がついてます。

『せなかが する する ざわ、 する する ざわ、 なんのやさいかな? 』 (白菜)  『せなかが がた がた がったん なんのやさいかな?』 (にがうり)  

10個の野菜が出てきます。けっこう難しいですよ。ちなみに私は2個しか当てられませんでした。本の最後には「野菜拓」の取り方ものっています。

集団での読みきかせ。きっと盛り上がりますよ。どうぞお試しあれ。

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ガンプラ少年MIYAZAWA

「ガンプラ少年MIYAZAWA」 (作・harryの息子・ヨースケ)

…「決勝戦は【デンドロビウム】の早組み立てバトルだ!!」

司会者の声に会場はどっと沸き立った。「では、決勝まで、見事勝ち残った二人に登場してもらいましょう!!」

スクリーンには対戦相手のセキヤ・ダームガンの名前と顔が映し出された。ゲートが開き、セキヤが出てきた。勝利を確信したかのような目つきだ。セキヤがフィールドに下り、指定された席(シート)に着くと、今度はオレの名前と顔が映し出される。

オレの名はミヤザワ・プーラガン。身長は小さめ、というか小さい。結構劣等感。そんなオレのたった一つだけ得意な「ガンプラ作り」の大会が、ここで開かれてると聞いて、ついフラフラと来てしまった。遊びのつもりでエントリーしたのだが、気付けば決勝だった。目の前のゲートが開いた。オレは闘いの場へ下りていった。

待っていたのはドームいっぱいの歓声だった。そういえば世界大会なんだ、この大会って。オレがシートに着くと、司会者が話し始めた。

「現王者のセキヤくん、今回はどうかな?」「余裕ですね。昔から一度もアイツには負けたことがないんで…」「昔から?どういうこと?」

観客がざわめく。「あ、セキヤはオレのちっちゃいころからの友だちで…」オレは思わず言ってしまった。

「そうなの?セキヤくん」「ええ、間違いありません」「では親友対決になるんだね。みなさん、これは見物です!!」どっと沸く観客席。「では、開始しましょう。ルールは簡単。先に組み立てた方がwinner!いいですね。それではスタート!!」

司会者の合図と同時に、セキヤとオレはガンプラを組み立て始めた。まずはパーツを台からはずしてヤスリをかける。と、その時、3メートル離れた隣のシートから、ものすごい数の「バリ」が飛んできた。

「出ました!!セキヤ君の必殺技、高速パーツはずし!!」見ると、セキヤはもうパーツをすべてはずし終わっている状態だった。そう、セキヤは、先にパーツを分解し、その後一気に組み立てるタイプなのだ。一方オレは、はずしては組み立てるの繰り返し派だ。

(スピード的にはあっちの方が速いが、この勝負は早組みだけではない。カラーリングもしなければならないんだ。オレはカラーリングのスピードなら人一倍速い。だから焦ることはない。)

一方、セキヤも同じようなことを考えていた。【今は俺の方が優位だが、やつはカラーリングが速い。前半でどれくらい差を広げられるかだな。】

セキヤは形を完成させた。司会が観客に伝える。「おっと、セキヤ君、今 本体を終えました!」観客席が騒ぐ。この音がオレの集中力を途切れさせる。(落ち着け)

残すは頭部だけとなったとき、ガギッといやな音がした。見ると、ニッパーが折れていた。(くそ…、これでは組み立てらんない、もう少しだっていうのに。)

「あっと、アクシデント!ミヤザワ君のニッパーが折れた!!」会場は大きくどよめいた。

(あ~、どうしよう。何か切るもの……、あ、カッターがあるじゃん!)オレはカッターを手に取ると、それで頭部の組み立てを再開した。

「なんとミヤザワ君。カッターで組み立てていますよ。大丈夫?ミヤザワくん?」

(あと、1パーツだ。よし、できた!)苦労の末、オレはガンプラを完成させた。「さぁ、ミヤザワ君、今からカラーリングに突入です。」

そのころ、セキヤはというと、カラーリングを半分終えたところだった。

「なんというスピード!速すぎるッ!!」司会者の悲鳴に近い叫びに、セキヤはオレ方に視線を移した。セキヤの目が見開いた。「・・・こ、こんなことが…」

                                           つづく。

☆息子がブログにのっけていいよ、と許可をくれたのでのせてみました。「てにをは」のおかしいところなど、ちょびっと書き換えてますけど、ま、ほぼ原型に近いです。ま、ポケモンとかの実況中継に酷似してますな。13歳なので大目にみてやってくだせ~まし。

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うちの作家クン

うちの長男が夏休みの宿題で、童話を書きまして…。

それを 「第14回 ぐんまこどもの夢大賞」というのに応募したようです。

驚いたことに、銅賞。

本人が一番びっくり。私と私のだんなは「他の作品は一体どんな…」と考えてしまいました。

明日、表彰式です。

ちなみに、童話のタイトルは 「なぞときうさぎ」 原稿用紙15枚のショートです。

彼は今、小説を3つ同時進行で書いています。最近書き始めたものは、かなりおもしろく、いろんな小説家の文体が混じり合っています。この辺は「はやみねかおる」、この辺は「山田悠介」。こりゃ「香月日輪」だ、どうみても…という具合ですわ。

天才的な方向音痴の主人公(ジョー)が、ある軍隊の試験に合格して、入隊する…というところから始まるストーリー。親の私も読むのが楽しみ。「これって、コメディなの?」って聞いたら、えらく傷ついた顔をしていたなぁ。ごめんよ、ヨースケくん!

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前途多難

今、進めているプロジェクト。なかなか進みません。苦痛。

きっちりした方針が定まらないと、滑り出せない。岸に上がった船を水辺へと送り出すにはかけ声をかけるだけではだめさ。みんなで「せーのっ!」って押さなくちゃ。

すんなり水面に出る船なんかあるもんか。ざらざらの砂浜は抵抗が大きい。

♪ 威勢がいい割に前へ進めてないぜ ♪黙ってろ この荷物の重さ知らないくせに (「ランニングハイ」)

今日の月はいいね。冴え冴えとして。横笛が吹けたなら…。

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ふたごのき

ふたごのき  (文・谷川俊太郎 / 写真・姉崎一馬)

大人のヒーリングのために探していて見つけた1冊。夕焼けの丘に立つ2本のエゾヤマザクラが表紙に。美しい紫色の空にひかれて手に取りました。

ふたごのヤマザクラ、名前はアパとアピ。どうやら男の子と女の子の双子のようです。この二人の会話ですすんでいきます。文は谷川俊太郎さんです。

カメラの位置は動かない定点撮影です。雪で埋もれる冬(白一色)から春、夏、秋と、ページをめくるごと、周りの景色だけが変わっていきます。それに合わせて「動くことのできない」二人の会話が書かれています。自分の周りで起こる出来事・昨日みた夢の話・いつも来るおじいさんのこと・自分たちの生まれる前の記憶……。

 (BGMをつけるとすれば…オーボエとビオラがいいな。)

本の最後に、写真を撮った姉崎氏の文が載っています。「木たちの旅」というタイトルがついています。やや哲学的です。(言い忘れましたが、姉崎一馬さんは、絵本ファンならご存じの「はるにれ」という写真絵本の作者です。)

<たとえ理想の土地ではなくても、いかに厳しい自然が待ち受けていたにしても、そこで精一杯生きてゆかねばなりません>

人の生き方も然り。

ヒーリングというより、なにか人生について考えてみたくなってしまうかもしれません。

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あらしのよるに(映画)

合い言葉は…あらしのよるに

木村ゆういち&あべ弘士のベストセラー 「あらしのよるに」が映画に。12/10(土)公開です。

私は、映画化の話を聞いたとき、ちょっと複雑でした。アニメにしてほしくなかったんですよ。映画館でポスターをみて、またその思いを深くしてしまったし。メイが可愛すぎて。

でも、予告編を公式サイトで見て、そのモヤモヤは一気に晴れた!!いいじゃないか、とても!

みなさん、ぜひ見てください。→ http://arayoru.com/pc/

中村獅童さんと成宮貴寛さんの声がとてもいいです。原作からはずれていないですよ。

公式サイトにアンケートが載っていまして……

 愛 ー 「信じる」 =? この方程式を解くコーナーがあります。愛のところは、友だち・夫婦・恋人・家族…といろいろ変わります。色んな人の考えが見えて楽しいですよ。あなたならどんな答えを出しますか?http://shinjiru.arayoru.com/

           ☆=  ☆=  ☆=  ☆= 

11/1、シリーズの7巻目「まんげつのよるに」が出ました。早速立ち読みをしたのですが、思わず独り言が…「ちょっと、こりゃないよなぁ~」(どんな内容かは、どうぞお読みになってください。なだれに巻き込まれて終わり…じゃ、映画にならないからなぁ。

映画化するにあたり、仕方なく作ったのでしょうかね。その前の刊、「しろいやみのはてで」(あらしのよるに・特別編)が出版されたとき、「ここまで語っちゃおしまいだよ」って思ったところだったのにぃ。

ともかく、映画はとても楽しみです。 ”おいら、まちどおしいっす。”

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チュウリップの幻術

「チュウリップの幻術」 (宮沢賢治・作 / 田原田鶴子・絵 / 偕成社)

………ごらんなさい。

あの花の盃の中から ぎらぎら光って すきとおる蒸気が 丁度 水へ 砂糖を溶かしたときのように ユラユラユラユラ 空へ昇って行くでしょう。………

小さな白いチュウリップからわき上がる、光の酒に酩酊して、コウモリ直しと園丁は、色めく春の幻想を見ます。………

賢治と同じ岩手出身の画家、田原田鶴子さんの絵です。地元の人が彼女の絵を見て「土地の風景そのものの匂いがする」と共感したそうです。東北の春というものがこんなに光に満ちているのかと、私は驚き、その鮮やかな美しさに胸打たれました。

賢治らしい、ややまどろっこしく、化学用語をちりばめた会話が主ですが、傘やさんと庭師の立つ庭に吹く風をあなたはきっと感じます。遠くにはまだ白く雪の残る山脈、トルコ色の空、ゆっくりと流れる雲。チュウリップをながめる傘やさんの髪がふわりと揺れたように見えるのは、私だけじゃないはず。

ゆらゆらと立ち上る陽炎を、「水へ砂糖を溶かしたときのような…」とありますが、立ち上る陽炎を「光の酒」と称して、二人は酒盛りを始めます。チュウリップの幻術に酔い、取り巻く自然をgood fellowのように感じ始めているうちにチュウリップ酒に火が入り、あたりは白い煙がたちこめて…。二人は我にかえる。

真昼の夢。DAY DREAM。あなたもこの不思議な午後を体験してみてはいかがでしょう。(子どもには少し難しいです。)美しい美しい1冊です。

田原氏は、「銀河鉄道の夜」も描いています。こちらも合わせて読んでみてくださいね。

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本屋に住みたい

私の住む町から車で30分くらいのO市に、お気に入りの書店があります。本拠地は京都の「喜久屋書店」。(ショッピングセンターの中に入っています。)

とにかく充実。なんでもある。そして書店員さんがまさにプロ。店内のレイアウトもすばらしく見やすい。

書店に行くと、読んでいない本たちが「読んでくれよ~」って叫んで、その迫力に押しつぶされそうな気がするのですが、ここは違う。「待ってたよ。ここにいるよ」という声が聞こえてきそう。その声を感じると、楽しくて楽しくて、ワクワクを通り越して、 「ここに住みたい!」と思うほど。

例えばスポーツのコーナーでは、ルールブックはもちろん、監督の本、監督を解説した本、スポーツ用品開発の本、もちろんスポーツ選手本人のエッセイ。あらゆるスポーツに関する本が、きちんとひとつの棚に。その数もものすごい。

今日は絵本を2冊。本当は別のジャンルも買いたかったのだけど、時間がなくて。

「本屋に住みたい」…変ですかね?!

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児童書売れ行きベスト10!!

東と西での書店、売れ行きベスト10です。本屋さんではこんな本がうれているんですね。

<東:紀伊國屋書店・新宿南店>

.ちびくろさんぼ  バンナーマン/瑞雲社(1050円)

.チョコレート工場の秘密  ダール/評論社(1260円)

.パスワード風浜クエスト 松原秀行/講談社(704円)

.かいけつゾロリの大どろぼう 原ゆたか/ポプラ社(945円)

.オリエント急行とパンドラのはこ はやみねかおる/講談社(735円)

.NO.6 #4 あさのあつこ/講談社(998円)

.斉藤孝のイッキによめる!名作選 小学2年生 斉藤孝/講談社(1000円)

.若おかみは小学生! 令丈ヒロ子/講談社(651円)

.ガラスの大エレベーター ダール/評論社(1260円)

10.もったいないばあさん 真珠まりこ (1575円)

<西:ジュンク堂書店京都店>

.オリエント急行とパンドラのはこ

.ちびくろさんぼ

.NO.6 #4

.モモ エンデ/岩波書店(840円)

.パスワード風浜クエスト

.かいけつゾロリの大どろぼう

.チョコレート工場の秘密

.おもしろい話がよみたい!白虎編 令丈ヒロ子他(1000円)

.若おかみは小学生!

10.もったいないばあさん

う~ん、講談社、もうけてますねぇ。商売上手いですね。「チョコレート工場」はやっぱり映画のお陰でしょうね。「ガラス~」はこの続きなのでセットで買った人もいるのでは?

ちなみに私が最近買った児童書は…「幽霊アパートの幽雅な日常①~④」 あっ、これも講談社だ。

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