「TWO BAD ANTS」 (C.V.オールズバーグ・文/村上春樹・訳/あすなろ書房)
このタイトル、村上春樹はどんな訳をつけたでしょう?
正解は、「2ひきのいけないアリ」 (「いけない」っていう訳、センスを感じますね。)
黄土色の表紙には、肩を組み合っているアリが2ひき。記念撮影のようなポーズ。写真のフレームのような枠から、はみだして描かれた触角。「ハン!俺たちは、ただのアリじゃないぜ~」そんな声さえ聞こえてきそう。
1匹のはたらきアリが「クリスタル」を運んできました。女王様はそのクリスタル(実はグラニュー糖の一粒)が、いたく気に入られ、もっと食べたいとおおせになりました。
そこで、たくさんのはたらきアリたちが、クリスタルを取りにはるかな旅へ出かけます。
危険な旅の末、クリスタルの山(シュガーポット)へたどりついたたくさんのアリたち。女王様の為に一つずつクリスタルを抱えて、帰路に。ところが…。
「はたらきアリ」といっても、全員が”真面目”とは限りませんでした。その中で2ひきのアリが、ちょっとシニカル・現実主義・現代っ子(?)。こういうキャラの子どもって、クラスに一人や二人いたかも。掃除を要領よくさぼったりする子ども、いませんでしたか?
・・・・・「なんで、そんなに急いで帰るわけ?ここに残っていれば、毎日すきなだけクリスタルを食べることができるんだぜ?」・・・・・(「はたらきアリ」にあるまじき発言です!!)
さぁ、この2ひきのいけないアリは、どうなっちゃうのかな。
読み終わって、「オールスバーグにやられた~!」って誰もが思うよ。
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