サンタクロースの部屋
『サンタクロースの部屋 (子どもと本をめぐって)』(松岡享子・著/こぐま社)
子どもと本との関わりについて書かれた本です。この手の本としては古典であるといってもいいでしょう。(なんせ初版が1978年なのですから。)私はこの本に、2年前ほどに出会いました。まだ、お読みでなければ、是非!おすすめいたします。私の本は、付箋だらけで、まるで七夕飾りのようになっていますよ。気が向いたときに読み返すのですが、いつも初心に帰ることが出来ます。
子どもにとっていかに「本を読むことが大切であるか」。25年前に松岡さんが書いていることは、今読んでも、全く古さを感じさせません。それどころか、25年も前から言っているじゃないの、どうして今、こんなに状況が悪くなっちゃったの?そんな風に説教されても仕方ないかと思ってしまったり…。
☆読書は、子どもたちに、ひとりの世界を与えることのできる数少ない活動の一つです。ですから、そこへ、親が不用意にふみこんでいくことは、避けるべきです。(親の過干渉が、その子の精神的な空間をいかにせばめているか…)
☆本を読ませようとするのはいいが、目先の効果をねらった読書を強いて、子どもを本嫌いにしてはつまらない。大人も、子どもも、本を読むときは”上を向いて”いよう。そして、心が、より高い、よりのびやかな世界に向かって開かれているようでありたい。
☆お話しというものは、決して話し手が一方的に聞き手に物語を流し込むことではなく、話し手と聞き手が、互いに気持ちをやりとりしつつ、ひとつの物語を楽しむ、いわば、共同作業なのである。話をおもしろくするのは、話しての技量だけのよるのでなく、聞き手の、話をおもしろがる心にもよるのである。
☆心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中にサンタクロースを収容する空間(キャパシティー)をつくりあげている。サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へでていってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここへ迎え入れることができる。・・・この空間、この収容能力、つまり『目に見えないものを信じるという心の働き』が、人間の精神生活のあらゆる面で、どんなに重要かはいうまでもない。
みなさんの心の中に、『ふしぎの住める空間』はどのくらいありますか?
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コメント
そうそう、感度のいい受信機と、内容のいい電波放送みたいなもんですね。そして、環境がよくないと「ガーガー」ノイズが入っちゃう。
投稿: mikapapa | 2005年12月 5日 (月) 02:08
papaさんへ。
いい比喩だねぇ。尊敬しちゃうな。
「harryメモ」に加えさせていただきまっする。
papaさんちはそろそろサンタの準備にかかるのかしら?うちの息子にはまだサンタが来ます。(上の子は薄ら笑いをしてますけど)トイザらスのチラシはもうボロボロですわ。
投稿: harry | 2005年12月 5日 (月) 05:05