「錦の御旗」(にしきのみはた)
今日いちにち、頭の隅から離れなかった言葉です。
「錦の御旗(にしきのみはた)」
意味は…日月を金銀で描いた、官軍の旗。 『だれも反対出来ないりっぱな口実』の意に用いられる。(「新明解国語辞典」より)
例:平和のためという錦の御旗を掲げる
なんでこの言葉にひっかかったかというと、
奥田英朗氏の「ガール」のなかの1編 「ワーキングマザー」に出てきて、いろんな意味で共感したからなんです。
離婚してシングルマザーになった主人公は、営業職でバリバリ頑張っている。「子供がいるから~できない」と仕事場で言うことは、自分では絶対にしない!と誓っている。
会社の後輩はそんな彼女に対して敬意をはらっている。
「平井さんって立派だなぁ。育児を「錦の御旗」にしないから。」
「錦の御旗って?」
「会社で女の人に育児を持ち出されたら、周りは何も言えなくなるじゃないですか。特に出産を経験してない女性は、口さえはさめないようなところがあるし」
そんな彼女がある会議の席上で、”日曜の会議には出られない。小学校の保護者会なので。”と言ってしまう。どうしても子供との約束を果たしたいとの思いがそうさせたのだ。
彼女を独身だとばかり思っていた男性社員は、手のひらを返したように態度が変わり…「そうかぁ。平井さん、ママさんだったんだ。」そして、だれもが彼女に対して気を遣うようになるのだった。
その夜、彼女はお風呂に浸かりながら自己嫌悪にひたるのだ。
「やっちゃったー。錦の御旗を自分は振ってしまった。」
あなたは掲げたことありますか? 黄門様の印籠のような 「錦の御旗」的なもの。
(PTA役員を断るときの文句としてよく使われますけどね。)
私ですか?
そうだなぁ。
無いとはいえないよな、正直なところ。
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コメント
よく振る旗ですなあ。私の場合は
「土日は、仕事だから参加できません」かな?
むむむ。そうもいかない、いかしたくないこともあって、スケジュール帳とのにらめっこが続くのですなあ。
投稿: どんぶらこっこ | 2006年7月30日 (日) 07:29
どんちゃんへ:
(八丈島よりコメントしています)
大漁旗を振る気分だなぁ、今は。
私の場合「子供がまだ小さいものでして…」かな。(時によって11歳がものすごく小さな子と化すのです)
投稿: harry | 2006年7月31日 (月) 20:02