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2006年10月

「裁判」の絵本

 もうすぐ日本でも、市民が刑事裁判に参加する「裁判員制度」が始まるそうですね。裁判をモチーフにした絵本を2冊紹介します。

                ※※※

「どうぶつさいばん ライオンのしごと」(武田津実・作/あべ弘士・絵/偕成社)

 舞台はタンザニアの草原。大きな岩を囲んで動物たちが集まっています。

「あのライオンがお母さんを殺したんです。」

ヌーの子供による涙ながらの訴えから裁判は始まりました。

被告人ライオンの弁護士オオミミギツネが立ち上がります。「ライオンは動きのおかしい動物しか狙わないのです。あの日、殺されたヌーに不審な動きはなかったのでしょうか?」

検察、弁護側の証人喚問も行われ、やがて判決の時が。

「ライオンは無罪。しかし…」

いろいろな動物たちの言い分から動物の生態系について学び、考えることができます。

     ***

 作者の武田津さんは獣医さんで映画「こぎつねヘレン」原作者でもあります。

裁判の様子はかなりリアルでハラハラしますよ。

 絵は「あらしのよるに」のあべ弘士さん。一筆でぐぐっと書いた動物の輪郭はとても迫力があります。(でも正確、このうえなし)

あなたが裁判長ならライオンに対しどういう判決を下しますか?(高学年向き)

~~~*~~~*~~~*~~~*~~~*~~~

「どんぐりと山猫」(宮沢賢治・作/佐藤国男・版画/福武書店)

 宮沢賢治の繊細で風景描写の豊かな世界と、骨太で荒々しい雰囲気の版画が意外なマッチングをみせた1冊。

版画を本職としているわけではなく、好きだから作っているという佐藤氏。本職はなんと大工さんです。

所々に彩色された青色が美しく印象に残ります。

   ***

 一郎のもとへおかしな葉書が届きました。

「あした、めんどなさいばんしますから、おいでんなさい。山ねこ拝」

出かけていった一郎の前に現れたのは立派なひげの山猫とたくさんのどんぐりたち。どんぐりたちは誰がえらいのか、もう3日も裁判をしているというのです。

    

  「あたまのとがっているのがいちばんえらい。」

  「いや、丸いのがえらいのです。」

  「大きいのがいいんだ。」

 山猫は困り果て一郎を呼んだのでした。

一郎の一言で裁判はたった1分半で終結。

どんぐりたちを一瞬で黙らせた言葉って…???

気になる人はどうぞ読んでみてくださいね。

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ブックスタート3回目報告

昨日は、T市ブックスタートの3回目でした。

今回は「6月生まれ」の赤ちゃんが対象です。(4ヶ月検診)

先月・先々月は、80~85人くらいの赤ちゃんが来ましたが、今回はなぜか45人ほど。外国人のベビーちゃんが2名。(ママが外国の方でした)

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ブックスタートボランティアは27名いますが、その中におじいちゃまが一人いらっしゃっいます。今回はその方のデビュー戦でした。おじいちゃんが一人いるっていいですね。黒一点!優しくてゆったりした声かけに、ベビーちゃんも足をバタバタしてゴキゲンでした。

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私は二組のママ&ベビーちゃんを担当した後、検診についてきたお兄ちゃん・お姉ちゃん(退屈で死にそうな)に絵本を読んであげる方へまわりました。

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こっちの仕事も楽しかったですよ。

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ブックスタート三回目。ちょっとずつ慣れてきました。

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時をかけるおじさん、おばさん

不思議ですよね。

絵や歌のワンフレーズが、時間を軽々と超えるスイッチになるんですから。(ラベンターの香りじゃなくて)

本屋さんでふと目にした絵本。

テレビから流れてきた昔の歌。

あのときの空気のにおいすら蘇る。

人間の脳ってスッゲ~!

   *****

昨日、NHKで拓郎さんのライブを見ました。私はファンの年代よりややずれているため、ふーんという感じで観ていました。

35000人の観客。おじさん、おばさんだよね。でもステージを見つめる目のなんてまっすぐな。青空、そこに吹く風、夕暮れ、花火、人いきれ。テレビの前にいる私も嬬恋の空気が伝わってきました。

ラストの曲。夢の時間はもうすぐ終わる。「終わらないで」なんて甘いことはきっと誰もが考えてなかったんじゃないか。忙しい日常を忘れ、ほんの半日でも充実できた満足、でもちょっとだけこみ上げる切なさ。

「明日からまたがんばろう!」 お客さんの誰もがそんな風に思ったんじゃないかな。

   *****

"生きていく力” そんな風にいうと大げさに聞こえるけど ”自分にネジをまく何か” を持っているっていうのは強い武器になると思います。子どもたちがそういう何かに巡り会ってくれるといいなぁ。夢中になったこと、打ち込んだこと…無駄なものは何一つないんだよ。

   *****

私の「時をかける」ものと言えば…(趣味がバレバレになるぞ)

ドナ・サマーの「hot staff」 (ダイエットコークのCMで使われましたね)

あのイントロを聴くと中3の私へひとっ飛び。

   *****

あなたの「時をかけるもの」、よかったら教えてください。

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「やくそく」(忙しい大人へ)

「やくそく」 (成田雅子・講談社)

成田雅子さんといえば「サナちゃんシリーズ」の方がメジャーかもしれませんね。

子供らしい夢いっぱいのサナちゃんですが、同じ作者とは思えないくらいテイストの異なった作品もあります。

「いちょうやしきの三郎猫」「もうひとりのアドロ」、そして「やくそく」。

この3作、とても”痛い気持ち”にさせられる絵本です。大人向けです。

             ***

今回は「やくそく」について。

ぼくとの約束、忘れないで…。猫のよもは、ゆうじさんとの釣りをたのしみにしていました。ところが、忙しいゆうじさんは戻ってきません。やがてピアノが消え、ベッドが消え、ついには…。(Amazonのレビューより)

             *****

ゆうじさんと仲良く暮らしていた猫の”よも”。ゆうじさんが新しい仕事についた時からなんだか家の中がヘンになりました。最初に消えたのは、コート。いちいちコートなんて着ていられないってゆうじさんは言ってた。次に消えたのはピアノ。弾くヒマなんてないよってゆうじさんが…。忙しくて家で食事をすることがなくなるとテーブルが消え、寝るヒマさえなくなるとベッドが消え…。

ゆうじさんの忙しさと比例して、物がだんだん無くなっていきます。ついには家さえも。

             ***

気が付くと、”よも”は砂漠のような場所にたっていました。「ボクもそのうち消えてしまうのかもしれない」

胸がぎゅーっとなる”よも”。

             ***

みなさんはもうおわかりでしょうね。家具などが実際に消えるわけではありません。心の中から追い出されてしまうと言うことです。

「忙しい」という漢字は、”心を亡くす”と書きます。目の前の仕事ばかりに気を取られ、ある日まわりを見回すと…あなたの大切なものはみんないなくなっていた。

             ***

お話の中では、ゆうじさんは”よも”との約束を思い出し、釣りに行きました。時間の経過がゆうじさんの心を癒していき、あたりはどんどん元通りの風景に戻っていきます。

       ~*~*~*~*~*~*~

仕事に追われ、「忙しいんだよ」が口癖のあなた。大切な人が寂しがってないかどうか確かめてごらん。

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ガサ入れ

「ガサ入れ」

警察の人が使いますよね、この言葉。

「ガサ」って何?

調べてみました。

な~んだ。「さがす」の「さが」をひっくり返した言葉ですって。

家宅捜索の時、ガサガサ音がするからだと思っていました。

なーんだ。

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気合いだぁ…(-_-)

今日は一日テンションのひく~~~い日でした。

人と話すのが億劫。

笑顔がヘン。(顔が四方八方バラバラになる気持ちがする)

「こじあけて」という表現がピッタリ。

こういう日ってないですか?

旨いモン食って寝ちまえば治りそうだけど、

これから仕事なんだよ。

しかも”人と話す”仕事。

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「ボヨンボヨンだいおうのおはなし」 ベッドを見ると飛び跳ねたくなるあなたへ

「ボヨンボヨンだいおうのおはなし」 (ヘルメ・ハイネ作:ふしみみさを・訳:朔北社)

今日、小学校の読みきかせタイムで2年生に読んだ本です。

*****

シンプルな絵。だけどよくみると、とても凝った貼り絵です。遠目で見てもくっきりとしているので、集団読みきかせOK。

タイトルがまず興味をひくでしょ?ボヨンボヨンだいおう!!

 

    「ブヨンブヨンだいおう??」 

一番前にいた男子のつぶやきに、自分のぜい肉のことを考えてしまった私でした。「ブヨンブヨンじゃないよぉ。ボヨンボヨンだよ。」…思わず訂正を入れてしまいました。 

*****

王さまは国の色々な問題が気になり、夜も眠れない。ある晩、どうしても眠れなかった王さまは、ベッドの柱によじのぼり、勢いよく飛び降りてみた。ボヨーン、バヨーンと飛び跳ねるたび、心配ごとが消えていき…。[日販MARCより]

本を読む前に子どもたちに聞いてみました。「ベッドでねる人?お布団でねる人?」

だいたい半々くらいの割合でした。重ねて 「ベッドの上でボヨ~ンってはねるのがだいすきな王様のおはなしだよ」

♪ ボヨ~ン バヨ~ン ボヨヨ~ン バヨヨ~ン ♪

王様がベッドではねるときの擬音がおもしろい!子どもたちの顔に笑顔がぱーっと咲くのがみられますよ。

短いお話しですが、なかなかよくまとまっていて良い絵本だなと感じました。

この王様のストレス解消法は「ベッドで飛び跳ねること」ですが、あなたのストレス解消法ってなんですか?

私はね…そうだなぁ…ランチバイキングで食べまくることでしょうか。

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「バレエ」の絵本~芸術の秋

 トゥシューズ、チュチュ、ティアラ、レース。女の子の憧れです。

芸術の秋ということで、「バレエ」に関する絵本を集めてみました。

    ♪~~~♪~~~♪

「うさぎのくれたバレエシューズ」

(安房直子・文/南塚直子・絵/小峰書店)

“バレエが出てくる絵本”といえばこの1冊。課題図書にもなりました。

月の輝く夜、満開の桜の下で桜色のシューズをはいて踊る女の子が表紙に。

この絵を見ただけで幸せな気持ちになりますよ。乙女チックな女の子ならこの本を胸にギュッと抱きしめて離さないのでは。

バレエを始めて5年も経つのになかなか上手に踊れない女の子が、ウサギの靴屋さんからプレゼントされたトゥシューズのお陰で、花のように風のように軽々と踊れるようになるというお話です。

   *===*===*===*===*

     ☆   ☆   ☆   ☆

         

「おいしそうなバレエ」

(J・マーシャル・文/M・センダック・絵/さくまゆみこ・訳/徳間書店)

「かいじゅうたちのいるところ」を描いたセンダックの絵本です。

腹ぺこな老いぼれオオカミが匂いにつられてたどり着いたのは劇場。

そこで上演されていたのはなんとブタのバレエ団による「白ブタの湖」でした。

ボックス席からどのブタを食べてやろうかと舞台を見回しているうちに、オオカミはいつのまにかバレエの美しさに夢中に。

ついには舞台へ飛び降りて…。

子供よりもむしろ演劇や舞台の好きな大人が読んでニヤッとする内容です。

このオオカミの気持ち、分かる人ってたくさんいるのでは?

絵の中に楽しいおまけがたくさんありますよ。

「クロサワアキラ」の名前もでてきます。どこにあるかって?さがしてごらん。

   *===*===*===*===*

     ☆   ☆   ☆   ☆

「ディディ パリ5001ばんち オペラ座にすむネズミのバレリーナのおはなし

(アンドレ・ダーハン・作/きたやまようこ・訳/講談社)

ダーハンの新作です!! 

パリ・オペラ座のシャンデリアに住むネズミのディディ。バレリーナになりたくてオペラ座の怪人に相談をしました。

「オーディションを受けるのだ。命をかけて…」

なぜ命をかけるのかって?

それはね、ディディの入りたいのは“ネコのバレエ団”だから。

たくさんのネコが見守る中、いよいよオーディションが始まって…。

ダーハンワールド!!虹のような色づかいの背景がストーリーととてもよく合っています。ディディの愛らしいチュチュ姿は必見!

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「しってるねん」 おもろいで

「しってるねん」(いちかわけいこ・長谷川義史・アリス館)

関西弁でかかれた絵本を探して出合った1冊。最高です!!

   大阪の商店街で「こんにちはぁ」と挨拶された。

   けど、あのおばちゃん、だれや?

   薬屋のおばちゃんやろか…?

   花屋のおばちゃんやろか…?

こういう経験ありますよね。思い出せないもどかしさ!

アーケード街を考え考え歩く男の子、じつにオモロイ。 独りボケツッコミ満載だし。

長谷川義史さんのコミカルでカラフルでヘタウマな絵が、これ以上ないくらいマッチング。長谷川さんでなきゃダメなくらい。

ネイティブ(関西圏の方)以外は、なかなかスラスラ読めないのではないかなぁ。特に間の取り方が難しいと思います。

いろんな「遊び」が絵の中にたくさん隠れていますよ。ストーリーだけではなく隅々までホントにおもろい1冊です。

ぜひ (^^)/

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運動会ラプソディ

本日は私の住む地区の運動会。

市内10地区が集まって行う中規模のものです。

子ども会の役員の私は当然いろいろな種目に出るわけで…。

綱引き…”ええ加減にひくぞ~”と思っていても綱を持つとつい本気で引いてしまう。

買い物競争…何で野菜ばっかりなんだ?!図書券とか株券とか宝石とか並べとけば必死で走るのに。

障害物競走…タイヤくぐりはお尻が抜けるかどうか心配。網くぐりはヘアピンがひっかかるし、輪投げは入らないし…ストレス!!!

年令別リレー…10代150メートル、20代・30代各100メートル、40代50メートル。私は40代のくせに30代のところで走りました。「100メートルってこんなに長いのかぁ」はぁはぁはぁ…(T_T) 転ばなかっただけお手柄です。

昔、足が速かったお父さんって、気持ちだけ前へ進み体はついていかず、もんどりうって転びますよね。

私:「いやぁ。男の人のリレーっておもしろいよねぇ。絶対転ぶヤツいるもん。Oさんのご主人も気を付けてね~」

Oさんのご主人:「そうなんですか。はぁ」

・・・・・スタート直後、見事定石にはまったのは、そのOさんのご主人!ホントに派手にひっくり返っていました。 

私の住む町には、日清製粉やお醤油の会社などがあるので景品はそこから出まして。今日ゲットしたもの… 唐揚げ粉・天ぷら粉・ホットケーキの元・アルミホイル・ティッシュペーパー・おせんべい・さつまいもでした。

腰が痛いです。明日は月曜日だというのに。

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