« 読むたび泣ける絵本 | トップページ | 10分草取り »

「おじいさんのえんぴつ」(M・フォアマン)

新学期に向け、文房具が出てくる本を探していて巡り会った1冊です。

文字数の多い絵本が最近増えてきていますが、

「絵+文」がかみ合ってこそ【絵本】。

ムダのない文章。ここまでそぎ落とせるのは絵に力があるからでしょう。

30頁の絵本が長編の映画を観ているかのように思えました。

      *****

1本のえんぴつが夜中に語り始める。自分がこの家に来たときの事を。

えんぴつは、そばにあった紙切れに、自分の生まれたときのこと(森の奥で木として立っていた)や、どうやってこの家に来たのかを記していった。

やがて、えんぴつの姿を黙って見ていた紙切れが、自分の故郷の思い出を話し始めた。続いて、テーブルもドアも。

床板はガラガラ声でこんな話をした。

「俺たちは、この家の床板になる前は、立派な船だったんだ。波にもまれて、揺れるのがうれしくてねぇ。風をすってふくらむ帆、船底にはじける波の音。ああ。もう一度、あの風を感じることができならなぁ…」

「できますとも、ほら!」 窓が突然開き、風が吹き込んで、えんぴつも紙切れも飛んでいってしまった。

風に乗った紙切れは、えんぴつ・紙・ドア・床板それぞれの物語をのせたまま、森にたどりつく。木のてっぺんにからみつく。だんだんと引き裂かれていく紙切れ。

その紙切れは、やがて鳥たちの巣作りの材料となった。鳥たちは紙切れに書いてあった物語を、ヒナに歌って聞かせる。森中に響く物語。

木から生まれた<えんぴつ・紙・ドア・床板>の思いは、今や再びふるさとへ戻ったのだ。

*****

E・カールの「ことりをすきになったやま」にちょっと似ているような気がします。

悠久。

この一言。

|

« 読むたび泣ける絵本 | トップページ | 10分草取り »

本紹介」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/116530/14394643

この記事へのトラックバック一覧です: 「おじいさんのえんぴつ」(M・フォアマン):

« 読むたび泣ける絵本 | トップページ | 10分草取り »