「ヘリオさんとふしぎななべ」
お子さんにとっては、ホラー初体験かも。
「ヘリオさんとふしぎななべ」 (市居みか・アリス館)
「世にも奇妙な物語」のテーマ曲♪が聞こえてきそうな1冊。
安部公房の「魔法のチョーク」を下敷きにしてるような…感じもします。
***
貧乏絵描きのヘリオさん。
骨董屋さんで絵を買いました。黒光りする鍋が描かれた絵です。
「けっして落書きするべからず」…絵の後ろから出てきた注意書き。
ヘリオさんはそれを無視して、絵に手を加えてしまいました。
その夜。不思議なことが。
腹ぺこのヘリオさんの鼻をくすぐる素敵な匂い。
なんと、絵の中の鍋にはおいしそうなシチューがコトコトと煮えているのです。
「あぁ、食べたいな。そうだ、絵の中にドアを描いてみよう。もしかしたら、私の部屋から絵の中へ入れるかもしれない。」
***
なんとな~くゾクッときます。(閉所恐怖症の人は読まない方がいいよ)
ヘリオさんは無事なのでご安心を。
でも、
どこかで「鍋の絵」を見ても、決して絵に何かを描き加えてはいけないよ。
harry イチオシの1冊。
| 固定リンク
「本紹介」カテゴリの記事
- 「こどもに本を買ってあげる前に読む本」に大共感しました!(2009.03.05)
- 「スカイ・クロラ」を読みました(2009.02.02)
- 山下明生さんが直接!(2009.01.13)
- 「容疑者Xの献身」 原作読みました(2008.10.05)
- 「あなたのたいせつなものはなんですか?」(2008.05.26)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
「ヘリオさんとふしぎななべ」おもしろそうです。安部公房的なというのも惹かれますね。探してみよう。
「絵」の絵本で思い浮かべるものといえば、織茂恭子作「おじさんのえ(こどものとも)」かな。おじさんの描いた絵の中で子どもたちが楽しく遊びます。それと絵の中の女性に恋をする「ヴィクターとクリスタベル―そっと恋して」です。主人公がワニなのもいい感じです。
投稿: あそびっこ | 2007年3月 8日 (木) 07:56
あそびっこさんへ:
実は私は、絶対この絵本は「魔法のチョーク」のパクリだと思っているんです。だってそっくりすぎる。
高校時代の現国の教科書で出会ったのがきっかけで、安部公房にはまりました。けっこう読みましたが、今はもう読めないです。なんでこんなめんどくさいヤツを読めたのかしら…っていう感じ。
絵の中の女性に恋をする…いいですねぇ。早速読んでみたいと思います。(^^)/
投稿: harry | 2007年3月 8日 (木) 17:02