今年の「課題図書」は 次の3冊です。(中学校)
- 「一億百万光年先に住むウサギ」 (那須田淳)
- 「レネット 金色の林檎」 (名木田恵子)
- 「世界一おいしい火山の本」 (林信太郎)
図書室だよりにレビューを載せるべく、がんばって3冊読みました。1冊ずつ紹介していきますね。
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「一億百万光年先に住むウサギ」
ドリス・ディの歌う♪「ケ・セラ・セラ」が何度も出てきます。
主人公は中3の男の子なのですが、その親たちの若かった頃の「恋愛いざこざ」がストーリーの重要ポイントになっているという、ちょっと変わった雰囲気の1冊。
ジャズ・レコード・コーヒー豆・星の名前・ドイツの恋伝説・レオナール藤田…
舞台は湘南。上記のようなおしゃれっぽいキーワードも端々に出てきて、課題図書にしてはシャレモノかなぁ…と思いました。装丁もセンス抜群。
主人公「翔太」と、その周りの友人たちがとてもイキイキと描かれていて、彼らの話している姿や息づかいが十分想像できます。親しみやすい。
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自分の親の若い頃の恋愛話って、子どもはどうとらえるのかなぁ…なんて考えました。自分のことを振り返って。
中3の不安定ながらもちょっとずつ自立(自分で考え、確かめていく)していく過程を、親の恋愛話にからめて、とてもおしゃれに、自然に描いている作品です。ところどころ、メルヘンチックなところがあるので、<大人のノスタルジー>に傾いていることもない。この部分のバランスが絶妙です。
深く感動…というわけでもないけど、手元に置いておきたいと思いました。
この本の全体のイメージは 「white」。イノセンス。
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