2007年 私の中のNO.1!「ミーナの行進」
2007年も本日1日となりました。
お雑煮のダシも取り、おせちもお重箱につめました。
玄関には花を。
あとは、年越しそばの海老天を揚げるのみです。
今年は、しょーばい柄、たくさんの本を読みました。
その中で、今年のナンバーワンを紹介します。
「ミーナの行進」(小川 洋子:著/寺田 順三:挿絵 / 中央公論新社)
「博士の愛した数式」の小川さんです。
私は本を読むのが速いのですが、この本には時間がかかりました。
1週間。
ページがなかなかすすまない。
一文一文が美しいので、取りこぼしたくなくて、ゆっくりゆっくり読んだせいでしょう。
13歳の朋子が1年間だけ、いとこの家にやっかいになります。
その従姉妹の名前がミーナ。喘息もちの美少女。マッチ箱を集めるのが趣味。
ドイツ人の祖母、超ハンサムな父、誤植探しが趣味な母、お手伝いさんの米田さん、小林さん、スイスに留学中の超イケメンの兄。
そして、このお話の陰の主役(?)、コビトカバの「ポチ子」。(カバがペットなんてすごいでしょ)
朋子の目から見たミーナ一家の1年間が描かれています。
キョンキョンこと、小泉今日子さんがこの本について讀賣にレビューを書いていましたが、そのレビューのラストに
<私は今、読者ということを忘れて、その物語の隅っこに確かに存在していたような錯覚に戸惑っている。>
とあります。
このとおりだと、私も感じました。
「朋子になりきってしまった」のではなく、自分が小さな姿となって、いつもいつも彼女らを見守っているような、そんな感覚。
本当に、この家族が存在するような錯覚。
お話の舞台の地へ行って、例えば、同じような洋館があったとしたら、懐かしささえ感じてしまうかもしれない。
小川洋子さんの筆のうまさに、ただただ敬服です。どの文も上質な手触りがします。
そばにおいておきたい本がまた1冊増えました。
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2008年まであと数時間。
ここへきてくれた方、ありがとうございました。
来年もよい年でありますように。
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