山下明生さんに会いました!
2/7(土)
JPICの勉強会に行って来ました。
「児童書の紹介文を書こう」という講座の2回目です。
1回目(11月)は、紹介文とはなんぞや…などの講義。そして課題が出ました。
<課題>次の2冊のどちらかの「紹介文」を書くこと
「遠めがねの海」
「ポケットきょうりゅうサイコロンクス」
いずれも、山下明生さんの作品です。
2回目の昨日は、提出した紹介文についての講評と、作者の山下明生さんの講演でした。
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私は 「遠めがねの海」の方を書いたのですが、講師の神部光男先生いわく…
「感想文としては優れているが、これは紹介文ではない。」
が~~~ん!!!
でも実際、私は、自分の書いたものに対して、「ちょっとズレてるよなぁ」と感じていました。
ここで恥をしのんで、私の書いたものをみなさんにお披露目します。
『遠めがねの海』
(山下明生/文:村上康成/絵:アリス館)
何かを覗くときに、なぜか息をこらしていないか。体はこちら側にあるのだけれど、心は”覗き窓”の向こう側に飛んでいるような気はしないか。本書を読むと、そんな不思議な感覚を思い出す。
静まりかえった初秋の海辺。ぼくは古びたアンティークショップで「遠めがね」に出合った。ウインドー越しにレンズを覗くと、毎回違う景色が映る。どうやらそれは、店主であるおじいさんが、相棒の老犬と旅した世界中の景色を見せてくれているようだ。おじいさんは店をたたみ、老犬は水平線の向こうに消えていった。ぼくは譲られた遠めがねを見ながら、彼らの冒険の軌跡をいつかなぞろうと思いをはせる。
大人向けのメルヘンである。村上氏が描くコミカルな絵によって、渋さは緩んではいる。小さな子どもが読むと、夕日の海を進む老犬の場面だけに強く心ひかれるかもしれない。だがそれは、作者が遠めがねを通して見せた魔法に、子ども自身、見事にかかった証ともいえよう。
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真ん中の「あらすじ」を紹介するところがダメらしいです。これでは、はじめて読んだ人にどんな話か伝わりにくい…とのこと。
う~~~~ん。
400字という制限があったので、ちょっといじりすぎたのかなぁ。
難しいですねぇ。「紹介文」と「書評」のかき分けって難しい。
********
山下明生さんといえば…
「島ひきおに」「海のコウモリ」「海のやくそく」「海のしろうま」など、海にちなんだ作品の多い作家さんです。元は、学研で編集をされていたそうですよ。
翻訳もたくさんされていて、一番有名なのが、「バーパパパ」シリーズ&「カロリーヌ」シリーズです。
丸いお顔の優しい方でした。明るくおおらかな感じで、とても親しみを感じました。でも、京都大学出身らしく、アカデミックな匂いも端々に。
私から一つ質問をさせてもらいました。
『遠めがねのうみ』では、ストーリーをより効果的に見せるような色遣いがされていますが、絵本を作る際、画家さんと細かく打ち合わせをしたのですか?…
その答えは…
文を渡しただけで、一切打ち合わせはしていない…とのこと。
w(゚o゚)w びっくりしました。
会場もどよめきました。
なぜこんな反応が出たか知りたい方は、「遠めがねの海」を読んでみてください!
びっくりしますよ。絵を担当した村上康成氏が、ものすごい感性の持ち主だということが確認できます。
*****
そのほかにも色々な質問が出て、とても盛り上がった講演会でした。
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コメント
こんばんは。
難しいんですね。。。
私は、たとえばharryさんのお薦めだから読んでみようとかと、思うことが多いかな。(ポール・ギャリコの作品に触れさせていただいて、とっても感謝してますよ。私の読書の守備範囲では、たぶん、一生で会わなかったでしょう。)
中坊さんたちのお薦めも読みたいって思えたし。誰々のお薦めだから。。。ってことで、読むことが多いですね。そんなときは、感想聞かせていただければ、十分なんですけどね。
投稿: クリクター | 2009年2月 8日 (日) 19:52
クリクターさん:
今回の講座は、活字にしてメディアにのせてもOKレベルの「紹介文の書き方」だったような…。
なので、ちょっとハードルが高かったなぁ。
ポール・ギャリコ…「スノーグース」ですね。
私もあれはめぐり合えて良かったと思ってます。
そうだ!恒川光太郎さんの新作、読みました?「草祭」
今日、本屋で立ち読みしましたが、恒川ワールドがもうもうと立ち上っていましたよ。
お財布にお金がなくて今日は買えなかったのが残念。
投稿: harry | 2009年2月 8日 (日) 22:21
感想文‥紹介文‥書評‥!?
あらすじは知りたいけれど、「こんなに素敵な文章を書く人が進めてくれる本なら読むんでみたいな。」と、思うこともあるんじゃないかしら?ねぇ。
投稿: あそびっこ | 2009年2月12日 (木) 12:59
あそびっこさんへ:
『紹介文』というのは、児童書や絵本を取り上げていても、結局は「大人」が読むものです。
なので、大人が納得し、「へえ~~。子どもによさそうじゃん。薦めてみよっと」と思わせなくちゃならないみたい。
『書評』は、批判的なことも書く必要があるらしい。
本の中身を書くといっても、やっぱり色々と違いがあるみたいですね。誰が何のために読むものか…そのへんをよく分析しなければ書けないようです。
今回は、非常に非常にべんきょーになりました。
またこんなチャンスがあったら挑戦したいですよ。
投稿: harry | 2009年2月13日 (金) 23:15