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2010年11月

リアル本。ちょっとガッカリ

<中坊のリアル本2010 制作状況>

原稿も集まり、いよいよパソコンで打ち込みを始めました。きれいな字のものはいいけど、解読不能なものもあるし、「てにをは」が狂っているのもある。主語がないのも。けっこう苦戦しております

そんな作業をしていくなか、あ~あとガッカリしてしまうものが何件が出てきました。

ネット丸写し。文庫本なら裏表紙のあらすじ丸写し。

おいおい。

下手くそでいいから、自分の言葉で書いてって念をおしたのに。
丸写しはバレルよって、いつも言っているのに。

せっかく応募してくれても、こういうのはバッサリ伐ることにしました。

残念。

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中坊のリアル本2010 応募総数は…

『中坊のリアル本2010~私たち中学生が選ぶ魂の本!』

10/1より紹介文の募集をかけ、11/15に締め切りました。約1ヶ月半。

2010年度版の原稿数は…

164 紹介文でした。

同じ本を違う生徒が書いているのもあるので、取り上げた作品数は147冊です。

内訳は以下のとおり

・日本の文学      43(41冊)
・古典文学         3( 3冊)
・外国の文学       8( 8冊)
・ノンフィクション     19(15冊)
・ノベライズ        22(17冊)
・ライトノベル        40(36冊)
・ケータイ小説       15(14冊)
・その他(実用書など)14(13冊)

ライトノベルは、昨年度版以上にハイレベルな紹介文が満載です。
プロか?と思えるほど饒舌!
特に去年参加した生徒の文章が格段に上手になっていて、「うわ~!成長した!」と感じられました。

3年生のKくんは、大学ノートに細かい字でびっしり10作品分書いてきました。2009年度版と同じ本を書いたものもあるのですが、比較してみるととてもおもしろいです。

さぁこれから、①入力、②レイアウト、③出版社に表紙画像使用許可(著作権)を取る、④印刷、⑤製本、という作業が待っています。

発行目標は12/20

ご覧になりたい方は、ご予約を。(クリスマスケーキみたいやね)

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特設コーナー

T中の図書室には、特設展示のコーナーを3つ作ってあります。

①新着図書コーナー
②話題の本コーナー(ドラマや映画の原作本など)
③ニュースになっている事柄コーナー

授業の場として使われることの多い(総合や自習、班での打ち合わせなど)図書室。日頃、本に親しんでいない生徒も、否応なしに本が目に入る環境です。それを利用しない手はないと思い、展示コーナーを多く取っています。

今回は③についてお話しします。

③のコーナーは、新聞やニュース、テレビなどで話題となっている事柄に関連した本を、いろいろなジャンルから集めてきて、並べてあります。

今やっているのは、 「レア・アース」です。こんな感じ↓

Photo

縦長の書架に、表紙をオモテにして10冊程度ならべてあります。写真のように、ページを開いて展示してある本も数冊あります。

今回は、化学の本(主に元素)、地学の本、輸入や自給率の関する本、経済の本、シャレで「鋼の錬金術師」(アルケミスト)…などを置きました。

このコーナーでは、主に学習に使う学校図書館用の資料を並べています
”書架に並んでいても、ほとんど手に取ってもらえない本に光を!”という、私の気持ちが入っています。

小説にはあまり興味のない生徒に、「世の中にはこんな本もあるんだよ」とアピールしたいという気持ちも。

生徒らは、けっこう立ち止まって眺めてくれています。(素行のよろしくないコたちもね

「知っている、知ってる!昨日、池上さんが(池上彰氏)がニュースで説明してた、コレ!」

先日、こういう声も聞こえてきました。

これまでで一番ヒットしたテーマは、「覚醒剤」でした。(酒井ノリピー事件の時です。)覚醒剤を使用した人の脳の写真(保健)や、水谷修氏(夜回り先生)の本などに人気が集まりましたね。(たばこ・シンナーなども登場させたせいでしょう)

1ヶ月ごとの入れ替えですが、テーマを絞るのがとても難しいです。でも、図書室の書架を眺めながら、「お!これ、使えるじゃん!」って発見する作業は、けっこう楽しい作業です。

次回は何にしようかな。

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Sクンの場合

3年生のSクンの話を。

Sクンは、髪を染め(もしかして脱色かも)、男の先生には特に反抗的な態度を取る生徒です。

彼はたまに、一人で図書室にフラッと現れては、話しかけてきます。それも本の話。

「あのさ、”ながぐつをはいたネコ”っぽいのない?」
「童話の、大人向けに書いたヤツってない?」
「”ライ麦なんとか~”っていうのある?」
「ドリトル先生ってある?」
「硫黄島っぽい本ってどこ?」

ほんとに、たま~に現れる…という感じでした。外見や口の利き方などから、この子は気まぐれに図書室に来てるのかな?本は借りていくけど、ちゃんと読んでいるのかな?と勝手に思っていました。偏見ってやつです。

ところが、部活を引退したあたりから、Sクンの図書室に来る頻度がどんどん高まってきました。

そして最近になって

「なんかオススメない?」

まっすぐ顔を上げて話しかけてきたんです。ワタシ的には”あれ?どうした?”って感じでした。

彼のこれまで借りていった本が、”ちょっと暗めの社会的な傾向”の本なのを思い出して、『弟の戦争』 (ロバート・ウェストール/徳間書店)を薦めてみました。

「オススメは?」と、初めて聞いてくる生徒に対しては、私はものすごく緊張します。”本に対する信頼””私に対する信頼”のダブルが試されるような気がするからです。

ここで成功すると次回も必ず来てくれるので、失敗したくない。

『弟の戦争』なら長さもちょうどいいし、「小学生高学年以上」なのでさほど難解ではない。何より、イラク軍の少年兵と”弟”の人格が入れ違う…というストーリーが、男子の心をつかむのではと思いました。彼は、表紙の絵とタイトルを見て、黙って借りていきました。ワタシ的には、彼の心にヒットするかどうか、とても心配でした。

***

次の日の放課後、Sクンは図書室の大股で入ってきました。

「これ、読んだ。おもしろかった!」そして、「他になんかない?」

ああ、よかった。(ものすごくホッとしました)

『弟の戦争』が読めたなら、もっと対象年齢を上げても大丈夫だなと感じたので、次に薦めたのは、 『縞模様のパジャマの少年』 (ジョン・ボイン/岩波書店)。

彼は、表紙とタイトルを見て、ちょっと不安に思ったのか、

Sクン:「これ、どんな話?」
私  :「ナチス・ドイツだよ」
Sクン:「お!借りるわ」

え?
商談がいきなりまとまった感じで、あっけにとられた感100%。

***

次の日。図書室に来るやいなや、Sクンは大声で話し始めました。

「読んだ読んだ!あれさ、あの子も死んじゃうんだよね。ガス室に入っちゃったってことでしょ?!」

一晩で読んでくれたんだなぁって嬉しくなり、私もちょっと興奮して、
「手をつないだままってところが悲しくなかった?お父さんがフェンスの前でぼう然とするところ、切なくなかった?」と矢継ぎ早にしゃべってしまいました。

Sクンは、うんうんと頷いてくれて。
それを見たとき「ああ、この子と心がつながっている!」と痛いほど感じ、ちょっと泣きそうになってしまいました。(年をとるとコレだ)

***

その後、 『パーフェクト・コピー』『時間をまきもどせ!』『チョコレート・アンダーグラウンド』と薦めました。

Sクン、キミはスゴイ読書家だよ。このことを担任の先生は知っているのかな。

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「中坊のリアル本2010」ラストスパート!

10月初旬より原稿募集を始めた『中坊のリアル本2010』

当初のしめ切りは11/1でしたが、11/15まで延長しました。

10月末頃になって、原稿が加速的に増えてきたので、その勢いを折るのが惜しかったためです。

生徒の志気を盛り上げるのにとった方法は、
「これまでどんな作品が応募されてきたのかをリストにして掲示すること」でした。

作品名とジャンル、応募者のクラス名の3つを公開しました。(毎日更新して張り替えました)

生徒は、

「うわ、ケータイ小説でも応募できるんだ!」
「私、この本読んだことある!私も書こうっかな~」
「え~!?ウチのクラスから1人しか出してないじゃん!」
「あ!これ、オレが書いたやつだ!」

毎日、何人もの生徒がリストを眺めてワイワイやっています。そして、なぜか応募数も増えていきました。

11/5現在で、昨年度を上回る108作品の紹介文が寄せられました。しめ切りまであと10日。最終目標は120です。

表紙のラフもあがってきました。今年の表紙は、アニメ専門誌の表紙っぽいです。萌え~。

こちらに来て頂いて、リアル本に興味をもたれたみなさん。「リアル本2010」はかなりおもしろいです。ご期待ください

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